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「アメリカ国債→金」という安全資産乗り換えの可能性
アメリカはもう一つの赤字も抱えています。財政赤字です。2024年度は1兆8330億ドル(GDP比6.7%)に達しています。財政赤字とは、連邦政府の歳入よりも歳出のほうが多いことを意味します。債務の利払い費の増加や、社会保障、医療、軍事費などの支出増大が歳出増の主な原因です。
財政赤字を補填するために政府は国債を発行します。政府が発行する国債は金融機関などが購入し、市場で売買されます。「国債」とは、期限付きの政府の借金であり、たとえば10年後に金利を付けて買い戻すという約束で発行されます。
政府が期限までに国債を買い戻すことができなければ、債務不履行(デフォルト)が発生して、国が破綻します。2001年にはアルゼンチンが債務不履行を起こし、2010年代にはギリシャが債務危機に陥りEUからの離脱危機が起きました。2020年にはスリランカが債務不履行で経済危機に陥っています。
アメリカの国債は、債務不履行に陥る心配はほぼありません。米ドルが基軸通貨であること、そしてアメリカは言うまでもなく世界一の「大国」だからです。したがって、アメリカ国債は世界で最も安全な資産の一つと考えられています。
ところが、最近、不思議な事態が起きています。2024年1月以降、金の価格が急騰しているのです。金は世界で最も安全な資産といわれています。その金の価格が上がるということは、端的に言えば、アメリカ国債が売られて、金保有に乗り換えられている可能性を意味しています。

