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拡大するアメリカの貿易赤字とドル高
「トランプ関税」によって、貿易赤字の解消を目指すアメリカですが、その実態を数値で見てみましょう。2024年のアメリカの貿易は、輸出(財・サービス)が3兆1906億ドル(前年比+3.9%)、輸入は4兆1084億ドル(同+6.5%)でした。輸出入の差額である貿易赤字額は9178億ドル。2022年に次ぐ高水準となっています(図表1)。
一国の貿易収支が「赤字」になるのか「黒字」になるかの一つの要因は「為替レート」にあります。たとえば、日米の為替レートで、「円高」になると輸出に対して不利に働き、「円安」になると有利に働きます。
わかりやすくするために、1ドル=100円(円高)と、1ドル=200円(円安)のケースで比較しましょう。仮に、200万円の日本車を輸出すると、1ドル100円の時にはアメリカで2万ドルですが、1ドル200円(円安)の時には1万ドルになります。円安の時にはアメリカの消費者はより安く日本車を買うことができるということです。そうすると、アメリカ市場で日本車が多く売れるので、日本は「輸出」が増え、アメリカは「輸入」が増えるのです。
円ドルレートの推移を示している図を見ても、為替レートは常に変動していますが、2021年から急激に「円安」(つまり「ドル高」)に動いていることがわかります。なぜドル高になったのでしょうか。ミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長によれば、それは、基軸通貨である米ドルに対する需要が多いからだということになります。ただし、ドル高の原因については様々な意見があり、ミラン氏の意見がかならずしも正しいとは限らないということを付け加えておきます。


