(※写真はイメージです/PIXTA)

介護は突然やってきます。最初は「家で面倒を見る」と決めた家族も、体力・時間・お金の限界に追い込まれることがあります。介護保険や制度が整っているように見えても、現実には“家族の努力”に依存している部分が多いのが実情です。

“涙の決断”をした夜

ある冬の夜、健一さんは限界を迎えます。

 

「母が何度もベルを鳴らして、『トイレ』『喉が渇いた』と呼ぶ。気づいたら、怒鳴っていました。『もう無理だ!』って」

 

翌朝、母はショックを受けた様子で黙り込み、数日後に体調を崩しました。

 

「そのとき思ったんです。俺が母を壊してしまうかもしれない、と」

 

健一さんはついに、自宅での介護を諦め、施設入所を決意しました。市の包括支援センターを通じて、特別養護老人ホーム(特養)への申請を行い、2ヵ月後に入所が決まりました。

 

「母は最初、泣いていました。『見捨てるの?』って。でも、入所後はスタッフにも慣れて、笑顔も戻ったんです」

 

それでも、健一さんの胸には罪悪感が残ります。

 

「介護を放棄したって思われるのが怖かった。でも、今思えば“母を守るための決断”だったんだと思います」

 

特養の入所費用は月約14万円。母の年金と、健一さんの仕送りでなんとか賄っています。経済的には苦しいままですが、母子ともに安定した生活を取り戻しつつあります。

 

高齢化社会の中で、在宅介護が限界を迎える家庭は増えています。介護保険制度は支援の仕組みを整えているものの、実際には家族の負担が前提となっている構造的課題が残ります。

 

在宅介護を続けるにも、愛情や努力だけでは支えきれません。必要なのは、「限界を認める勇気」と、「頼れる制度・人に早くつながること」です。

 

介護は“家族の責任”ではなく、“社会全体の課題”です。孤立せず、声を上げること。それが、地獄のような日々を抜け出す最初の一歩になるのかもしれません。

 

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