前回は、変形性膝関節症の予防で意識したい食生活の内容を取り上げました。今回は、ひざ痛による憂鬱を「前向き」に乗り切るための5つの方法を見ていきます。

体をよく動かし、気分転換を図ることが大切

これまで見てきたとおり、普段の生活のささいな心がけで、ひざ痛は大幅に改善できます。最後に、最も大切なことをお話ししたいと思います。それは、精神的なストレスの乗り切り方です。

 

ひざ痛は、多くの人を憂鬱にします。そして変形性膝関節症は、これから末永く付き合わなければいけない、ある意味非常に厄介な病気でもあります。

 

人によっては恒常的な痛みや行動の制限が大変なストレスになり、抑うつ状態に陥ることもあるかもしれません。痛みを抱えたまま前向きに過ごすのは、決して簡単なことではないと思います。

 

しかし、ひざ痛の時ほど体をよく動かし、気分転換を図ることが大切です。必ず改善すると信じて、ぜひ前向きに治療と日々の生活改善に取り組んでください。

 

また、心身の健康のために次のことを心がけていただきたいと思います。

 

【前向きに過ごすための5項目】

●趣味の集まりなど、仕事や家事以外で外に出る習慣をつけましょう。

●毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るようにしましょう。

●1日30分、運動やストレッチの時間をつくり、進んで体を動かしましょう。

●毎日7~8時間程度、睡眠をしっかりとりましょう。

●寝る前の1時間はゆっくりリラックスして過ごしましょう。

研究が進んで、良い治療方法が多く出てきている

そして可能ならば、ぜひ信頼できる整形外科の専門医を見つけて、二人三脚で治療に臨んでください。もちろん、私のクリニックでは、私をはじめとして理学療法士、柔道整復師らのスタッフが、患者さん一人ひとりを全力でサポートしています。

 

変形性膝関節症でも、何ら悲観する必要はありません。現在はひざ痛に関する研究が進み、良い治療方法がたくさん出てきています。

 

本書『その痛みやこわばり、放っておくと危険! ひざに「! 」を感じたら読む本』でご紹介したマッケンジー法やグルコサミン・コンドロイチンなど新たな療法も含めて、可能な範囲で取り入れて、末永く自分の足で歩き続けるために取り組んでいただければと思います。

 

また、本書の第2章で、手術は最終手段だと述べました。しかし、もし仮に手術をする必要が生じたからといっても、もう為す術がない上での選択だなどと落ち込むことはありません。

 

人工関節手術によって痛みが劇的に改善して、以前よりも積極的に人生を過ごしておられる方が大勢います。納得がいくまで説明を受けて決断したら、ぜひ前向きに手術と術後のリハビリテーションに臨んでください。

 

次回は、年齢を重ねても元気に趣味を楽しみ、人生をエンジョイしているアクティブシニアの方々をご紹介します。

本連載は、2016年6月29日刊行の書籍『その痛みやこわばり、放っておくと危険! ひざに「! 」を感じたら読む本』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

その痛みやこわばり、放っておくと危険! ひざに「!」を感じたら読む本

その痛みやこわばり、放っておくと危険! ひざに「!」を感じたら読む本

橋本 三四郎

幻冬舎メディアコンサルティング

断続的に続く、ひざの違和感。 放っておくと歩けなくなるばかりか、将来寝たきりになるリスクもはらんでいます 。 本書では、ひざの違和感の正体を明らかにするとともに、9割以上の人が効果を実感しているマッケンジー・エ…

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