(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親の介護を担う家族にとって、日々の生活支援や通院介助だけでなく、「ちょっとした外出」への対応も大きな負担になることがあります。本人は「少しだけでいい」と望んでいても、介護度や体力、移動手段、付き添いの人手が確保できなければ実現が難しい現実。特に地方では交通の便や介護サービスの選択肢が限られ、高齢者の“当たり前の願い”が叶わないことも。そんなある日、娘が父の言葉に涙を流した“理由”とは——。

「外出支援」の壁

要介護2の認定を受けている高齢者は、日常生活動作に一部介助が必要であり、外出にも付き添いや移動手段の確保が求められます。

 

介護保険制度には「通院」や「通所介護」などの支援は含まれますが、「家族の行事への外出支援」は原則として対象外となっており、自費での介護タクシー手配やヘルパーの同行などが必要です。

 

自治体によっては「外出支援サービス」や「付き添いボランティア」を提供している地域もありますが、利用には事前登録や回数制限があり、柔軟な対応が難しいことも。

 

「“病院や施設なら支援があるのに、孫の運動会には行けない”って、父はこぼしていました。ほんとに、その通りだと思いました」

 

最終的に、由紀さんは地域包括支援センターに相談し、介護タクシーと自費ヘルパーのスポット契約を活用して、父を運動会へ連れて行くことを決断しました。

 

「費用は1万円ちょっとかかりましたけど、父のあんなうれしそうな顔、何年ぶりかってくらいで…。結果的に、行ってよかったと思っています」

 

そうた君が徒競走で走る姿に、小さく手を振っていた誠一さん。帰宅後は少し疲れていたものの、「行ってよかった。もう、思い残すことはない」と笑っていたそうです。

 

「親のために何かしたいと思っても、現実的なハードルは多いです。でも、“できない理由”を考えるより、“どうすればできるか”を考えた方が、結果的には後悔しないと感じました」

 

介護を担う家族が抱えるジレンマと、本人の“ささやかな願い”とのあいだで揺れる気持ち。高齢者が「望む場所に行ける社会」。それは、医療や介護の制度を超えて、家族や地域、そして社会全体で支えていくべき“生きる自由”なのかもしれません。

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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