(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親の介護を担う家族にとって、日々の生活支援や通院介助だけでなく、「ちょっとした外出」への対応も大きな負担になることがあります。本人は「少しだけでいい」と望んでいても、介護度や体力、移動手段、付き添いの人手が確保できなければ実現が難しい現実。特に地方では交通の便や介護サービスの選択肢が限られ、高齢者の“当たり前の願い”が叶わないことも。そんなある日、娘が父の言葉に涙を流した“理由”とは——。

「運動会に行きたい」それだけなのに…

「ただ、頑張る孫の姿を一度でいいから見ておきたいんだよ…」

 

高橋由紀さん(仮名・48歳)は、東北地方の実家で父・誠一さん(78歳)の介護をしています。5年前に脳梗塞を患ってから、父は要介護2に認定され、現在は週3回のデイサービスを利用しながら、杖歩行と車椅子を併用する生活を送っています。

 

そんな父が、ふと口にしたのが「孫の運動会を観に行きたい」という一言でした。

 

「歩けるわけでもないし、長時間の外出は難しい。なのに、なんでそんな無理を言うのかって…最初は少し腹が立ってしまって」

 

誠一さんが暮らす自宅から、小学3年生の孫・そうた君の小学校までは車で30分。運動会の会場は屋外のグラウンドで、段差や砂利道も多く、バリアフリーとは程遠い環境です。

 

「父の体調は日によって波があります。急にトイレに行きたがったり、暑さで体調を崩したりすることもある。付き添いながら運動会の応援どころじゃないって思ったんです」

 

介護経験者であれば誰もが知る、「ちょっと出かけるだけ」がいかに大変かという現実。由紀さんは、父の気持ちに寄り添いたいと思いつつも、「もし倒れたら」「迷惑をかけたら」と、リスクばかりが頭に浮かんだといいます。

 

結局、由紀さんは「来年にしようよ」と言葉を濁してしまいました。

 

それから数日後、デイサービスのスタッフ経由で聞いた話に、胸を締めつけられました。

 

「お父さん、こんなこと言っていましたよ。“孫の運動会を観に行くのが、もしかしたら人生で最後の目標かもしれない”って」

 

その言葉を聞いて、初めて気づいたと由紀さんはいいます。

 

「父は、“外に出たい”んじゃなくて、“孫の姿を見届けたい”って思っていたんだなって…。泣きました。自分の気持ちばかり優先していたことに気づいて」

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

次ページ「外出支援」の壁

※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録