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加賀谷明美さん(65歳)は、東京郊外で夫と二人暮らし。夫婦の生活は月23万円の年金でまかなっています。
長男(35歳)は7年前に結婚し、横浜で妻(35歳)と5歳の娘・美優ちゃんと暮らしています。東京と横浜と言っても明美さん宅までは車で40分ほど。親子の関係は良好で、長男夫婦は月に一度ほど孫を連れて訪れてくれます。日々の連絡もLINEで頻繁に取り合っており、明美さんにとって孫の成長を間近で感じられる大切な時間になっています。
充実したシニアライフを送る明美さんですが、そのきっかけとなったのが、出産祝いのお返しとして息子夫婦からプレゼントされた「明美さん専用のスマホ」でした。これまでスマホは夫(69歳)と共用で使っていましたが、自分専用の端末を持つことで、同世代の友人ともこれまでより密に連絡をとることが可能となりました。
「これでLINEできますよ」とスマホを渡されたときは、まるで新しい世界が広がったようでした。通信費は月5,000円ほど増えましたが、「孫の写真が見られるなら安いもの」と思っていました。
スマホを自在に使いこなし、やがてSNSの投稿も楽しむようになった明美さん。ところが、ある日の運動会で投稿した1枚の写真が、思わぬトラブルを招きました。
運動会でのうっかり投稿
ある秋晴れの土曜日、美優ちゃんが通う幼稚園の運動会に誘われた明美さん夫婦。美優ちゃんがお遊戯や競技に参加するたびに、明美さんはスマホで写真を何枚も撮影し、スマホ越しに美優ちゃんの成長を噛み締めていました。
「孫の写真をたくさん撮って、まずは家族のグループLINEで送ったんです。お嫁さんも『こんな写真を撮っていてくれたんですね!』って喜んでくれて、それが嬉しくて、ついSNSに投稿してしまいました」
しばらくして、同世代の友人からLINEが届きました。「お孫さんの写真がSNSに出てるけど、顔出し大丈夫? 変な人もいるから気をつけて」
「私は、孫がいない友人の僻(ひが)みかな、と軽く受け流してしまって……。まさかあんな大ごとになるなんて」
数日後、お嫁さんから電話がかかってきました。
「お義母さん、どういうことですか? 美優の写真をSNSで見かけたんですが、他の子たちも写っていますよね? すぐに削除してください。園からも個人が特定されるような写真をSNSにアップしないように注意喚起が出ていましたよね?」
続けて、息子の声も聞こえました。
「まさか本名でSNSをやっていないよね? あ、フルネームでやっている。幼稚園も特定されるし、なんてことをしてくれたんだ!」
「正直、青天の霹靂でした。園からの注意喚起なんて私は聞いていません」と明美さんは言います。
