「親の“病名”を雑に扱ってはいけない」
「結局、その施設には“要支援段階向け”の入居枠しかなく、母は別のグループホームに入りました。職員さんは丁寧に対応してくれましたが、あのときの一瞬の空気を、今でも覚えています」
田島さんはその後、ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携し、認知症ケアに強い施設を探して再調整。現在は母も穏やかに過ごしているそうです。
「親の病気に慣れてしまって、ちょっと無神経な言い方をしてしまったと反省しています。病名を“肩書き”のように使ってはいけないんだと思いました」
介護施設選びにおいて、認知症の診断は重要な指標のひとつです。特に、要介護度と併せて「行動心理症状(BPSD)」がどの程度かは、施設の受け入れ可否に大きく影響します。
●徘徊、夜間不眠、暴言、異食、興奮などの症状が強い場合は、グループホームや精神科併設の施設が適している
●一方、認知機能の低下のみで落ち着いている方は、民間の有料老人ホームやサ高住でも対応可能な場合がある
また、認知症ケア加算や医療連携加算の有無もチェックポイントです。施設側が専門的な対応を取れるかどうかは、制度上の加算や職員体制に表れていることがあります。
「“親の状態”を、正確に、かつ丁寧に伝える」それは、本人の尊厳を守ると同時に、より良い介護環境につなげるための第一歩でもあります。
介護施設とのやり取りが初めてのときこそ、少しだけ“伝え方”に意識を向けてみることが大切なのかもしれません。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
