(※写真はイメージです/PIXTA)

「地方は生活費が安いから、年金だけでも豊かに暮らせる」——。それは、移住を考える人が抱く、最も危険な幻想かもしれません。本記事では、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏が、北海道移住の経験がある60代の斎藤さん(仮名)夫妻の実体験をもとに、地方移住の落とし穴を解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

都会では知る由もない、地方暮らしの“3大コスト”

斎藤夫妻が直面したのは、都会から移住する人が見落としがちなコストでした。

 

第一に、光熱費です。北海道の冬は長く厳しく、灯油代や電気代は都市部に比べて格段に高額になります。東京時代の光熱費は月1万5,000円程度だったのに対し、移住後は4万円近くと2.5倍ほどに膨れ上がりました。

 

続いて交通費。都市部では電車やバスなどの公共交通機関が発達していますが、地方では車が生活の必需品です。車を保有するとなると、車検代や任意保険、ガソリン代を含めて年間で50万円以上の出費となります。

 

佳代さんは「近所のスーパーまで車で片道20分。雪が降れば自分たちが運転するのも危ないので、結局タクシーを使うこともあった。自家用車だけで完結できず、かえってお金がかかってしまうことも……」とこぼしました。

 

最後に、医療機関へのアクセスです。高血圧の薬をもらうための通院費一つとっても、バスは1時間に1本。冬は雪で遅れることもあり、やむを得ずタクシーを利用する日も増えました。

 

「東京では歩いて5分のところにクリニックがあったので便利だった。でも、ここでは通院に半日つぶれてしまう。交通費だけで数千円かかることもあった」

 

生活費の安さを期待して移住したのに、実際には東京での生活以上に出費がかさむ……。これは斎藤夫妻に限らず、ほかの移住者にも共通する悩みです。

 

総務省が発表した「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、60代夫婦の平均消費支出は月25万6,521円。年金収入だけで平均的な暮らしを維持できる世帯は少なく、地方に移ってもその状況は変わりません。それどころか、むしろインフラの整備不足が、暮らしを不便で高コストにしているという現実があるのです。

 

「せっかく移住したけど、もう戻るしかないね……」

 

年末、斎藤夫妻はついに東京へ戻る決断をしました。理想と現実のギャップに直面した結果ですが、後悔ばかりではありません。誠一さんは「移住そのものは貴重な経験だった。ただ、想定コストの見積もりを甘く見てはいけなかった」と振り返ります。

 

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※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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