(画像はイメージです/PIXTA)

後継者不在は中小企業の最大の課題とされます。しかし、本当に問題なのは企業数の過剰と経営資源の分散です。複数の小規模企業が単独で存続するよりも、統合によって効率化を進め、デジタル投資に踏み出すほうが、生産性も競争力も高まります。本記事では、多くの事業承継やM&Aをサポートしてきた、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

中小企業に求められる視点:規模拡大とデジタル投資

近年はAIやロボットなどデジタル技術を活用した効率化が不可欠とされています。しかし、中小零細企業は資金力の制約からデジタル投資が進みにくい現実があります。

 

この壁を乗り越える有効な方法のひとつが「事業統合による規模の拡大」です。たとえば従業員10名の小規模企業が3社あった場合を考えてみましょう。

 

ケース①:3社が単独で存続する場合
 それぞれが限られた資金で経営を続けるため、大規模なデジタル投資は難しく、生産性向上のスピードも限定的です。
 

[図表1]ケース①従業員10人の会社3社が単独で生き残る

 

ケース②:3社を統合して1社にする場合
 本社経費や広告宣伝費などの間接コストを削減でき、その分をデジタル技術への投資に充てることが可能です。結果として生産性が向上し、より競争力の高い事業へ成長できます。

 

[図表2]ケース②事業譲渡されて従業員30人の会社1社に統合される

 

この例では、会社の数は「3社→1社」に減少しますが、従業員30名の雇用は維持されます。むしろ経営効率化と生産性向上によって、統合後の企業は大きく成長する可能性が高まります。

事業承継型M&Aが拓く未来

日本の中小企業における「後継者不在問題」は、実は「企業数が過剰で、経営者の数が多すぎる」ことが背景にあります。今後は一社ごとの存続に固執するのではなく、事業承継型M&Aを積極的に活用し、経営資源を統合・再編していくことが重要です。

 

M&Aによって経営資源を効率的に引き継ぎ、生産性を高める。これこそが日本の中小企業が持続的に成長するための現実的な道筋なのです。
 

 

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

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