小遣い月2万円、家族のために極限まで切り詰める日々
家庭によってお金の管理方法はさまざま。財布をひとつにして夫婦でオープンに管理する人もいれば、夫婦別々で「お小遣い制」という形を取る家庭もあります。
特に、妻が家計を握り、夫は毎月一定額のお小遣いでやりくりするというスタイルは、昔からよく見られるものです。 都内の中小企業に勤める長野俊彦さん(仮名・64歳)も、そんな「お小遣い制」の夫の一人でした。
大学卒業後に就職し、31歳で結婚。自分の両親を見習って、子どもが生まれたタイミングで家計管理を妻に任せることに。当時は収入も低く、お小遣いは月2万円に決めたといいます。
「飲み会は極力断り、お昼もおにぎりを家から持参していました。収入が上がったタイミングでもう少し上げてもらおうとも思いましたが、お金のかかる趣味があるわけでもなかったし、ギリギリやっていけたので、結局ずっと2万円のまま。現役時代に我慢した分、老後はゆったりできると思っていたんです」
そんな長野さん、年収が700万円に届いた時期もありましたが、会社の業績悪化で給料は減少。60歳からは継続雇用となり、最終的に年収は380万円ほどに落ち込みました。それでも「あと数年で退職すれば、ようやく旅行にいったり読書したりできる」と、老後を楽しみに働き続けていたのです。
ところが、ある日妻から神妙な顔で告げられたひと言が、その希望を打ち砕きました。
