(※写真はイメージです/PIXTA)

かつては「定年退職=悠々自適な老後生活のスタート」と捉えられていました。しかし、現代においてはそう単純な話ではありません。退職後の生活費、社会的役割の喪失、家庭内の関係変化――それらが一度に押し寄せ、特に男性側が「自分の居場所を失った」と感じるケースは少なくありません。定年後の生活設計は、資金面だけでなく、家庭内の関係性や役割の再構築も含めた視点が欠かせない時代になってきています。

「今日から自由だな!」…浮かれていたのは夫だけだった

「お疲れさま。じゃあ、これからどうするの?」

 

それは、定年退職日の翌朝、朝食の食卓で妻に言われた一言でした。

 

長年、建設系の中堅企業で働き、営業部長まで勤め上げた井上誠さん(仮名・62歳)は、前日の送別会で同僚たちから花束と拍手で送り出されました。社内では人望も厚く、「誠さんがいなくなると寂しくなるな」と惜しむ声も多く、本人もどこか達成感と高揚感に包まれていました。

 

自宅に帰ってからも、ふとした瞬間に「これからは自由に旅行も行けるし、家庭菜園でも始めようかな」と思い描き、久しぶりに妻と過ごす時間を楽しみにしていたといいます。

 

しかし翌朝、朝食を食べながら妻が発したその一言は、誠さんの気持ちを急速に冷やしました。

 

誠さんの妻・智子さん(仮名・60歳)は専業主婦。子育ても終わり、今は地域のボランティアや趣味のサークル活動に打ち込んでいます。夫の定年についても「これから夫婦で第二の人生を…」と表面的には語っていたものの、本音では「自分のペースを乱されたくない」という思いもあったようです。

 

「正直、朝から晩まで夫が家にいると気を使いますし、私の予定も立てづらいんです。掃除しようと思ったらリビングでテレビを見ていたり、お昼を作れと言われたり…。なんで“こっちの生活”に夫が突然入ってくるの?って思ってしまって」

 

智子さんのその思いは決して特殊なものではなく、近年では「定年後クライシス」と呼ばれる家庭内の摩擦が話題になるほど。長年「外で働く夫」と「家を守る妻」という役割で成立していた関係が、定年を機に崩れはじめるのです。

 

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