今週の注目点=米ドル/円のレンジ上放れは成功するのか?
PCEコアデフレータなどに注目=FOMC連続利下げの見極め続く
先週の米ドル/円は、この間のレンジ下放れに失敗したことから、今週は改めて146円半ば~148円半ばのレンジ・ブレークが焦点になります。先週円高方向へのレンジ・ブレークに失敗した反動で、今週は円安方向へのレンジ・ブレークへの関心が先行するところとなりそうです。
まず注目されるのはFOMC後の米金利上昇が続くかということ。それは次回10月末FOMCで利下げが連続するかが最大のテーマになるでしょう。今週はFRBが注目するインフレ指標のPCEコアデフレータの発表などが注目されるところとなりそうです。
高市氏は金融政策に言及せず=政界の利上げ慎重論に変化も?
先週は19日に日銀の金融政策も発表され、予想通り政策変更はありませんでしたが、利上げを支持し政策金利据え置きへの反対が2名いました。日銀もFRB同様に次回の金融政策発表が10月末に予定されていることから、そこでの利上げの有無が日本の金利の動きを通じ、円相場に影響することになるでしょう。
日銀10月利上げの有無は、次期政権の動向も影響し、少数与党のため次期政権成立が難航するなら10月利上げは難しいかもしれません。ただ自民党総裁選の有力候補の1人で、1年前の総裁選で「いま金利を上げるのはアホやと思う」と発言、利上げ慎重派の代表格のように見られている高市早苗氏が、19日の出馬会見で金融政策に言及しないなど変化の兆しもあります。円安や物価高を背景に、政界からの利上げ慎重論が変わり始めている可能性があるのではないでしょうか。
今週の米ドル/円予想レンジは146~149.5円
以上のように見ると、日銀利上げ先送りなどを手掛かりとした日本の金利低下にはおのずと限度があるのではないでしょうか。その意味では「日米金利差拡大=米ドル高・円安」は、FOMC連続利下げの有無をにらんだ米金利上昇が鍵になるのではないでしょうか。
今週の米ドル/円は、この間のコアレンジ上限ブレークを試す展開が先行しそうですが、雇用統計発表などを翌週に控え、米金利上昇にもおのずと限りがあるとの考え方から、レンジの上放れは微妙だと考えます。それを踏まえ、予想レンジは146~149.5円で想定します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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