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問題は「見えない負債」…夫婦を蝕んだ“どんぶり勘定”
山本さん夫婦の問題は、資産と負債の「見える化」を行ってこなかった点にありました。
住宅ローンや車のローンがいくら残っているのか、夫婦それぞれが正確には把握していませんでした。目の前の給料とクレジットカードの支払いだけを考え、家計の全体像が見えないまま、「退職金でどうにかなるだろう」という安易な発想でやりくりを続けていたのです。やりくりに苦しくなってクレジットカードの分割払いを利用したことが、さらに事態を悪化させました。
どれだけ収入があっても、なににいくら支出しているかを可視化しなければ、無意識に出費は膨らみます。特に分割払いやリボ払いは、負債の総額が見えにくいため、注意が必要です。
「退職金があるから大丈夫」ではない
不動産・預貯金・保険・ローン・カード残高など、自分の資産と負債をすべて洗い出し、「見える化」しなければ、本当に自由に使えるお金はわかりません。
厚生労働省の調査(令和4年就労条件総合調査)によれば、大卒国家公務員の退職金は平均約2,300万円ですが、住宅ローンの平均完済年齢は70歳を超えるというデータもあります。退職金とローン残高が重なる家庭は、決して少なくないのです。
また、金融広報中央委員会の調査で、60代の約7割が「老後資金に不安を感じている」と答えている背景には、こうした資産と負債の管理能力の問題も大きく横たわっています。
山本夫妻のように、「年金が月25万円あるから大丈夫」「退職金が2,000万円あるから大丈夫」ではなく、月々の支出や将来のイベント支出を考慮し、自分たちが望む将来設計から、いまのままで本当にお金が足りるのかを計算することが重要です。そのうえで、優先順位をつけ、必要に応じて定年後も働くといった選択が大事になるでしょう。
幸いにも山本さん夫婦は、まだ2人とも元気で働ける状態です。いまからでも家計を「見える化」し、計画的な貯蓄を始めることで、老後破綻を回避することは十分に可能です。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
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