HD化すれば、株式の分散も防げる
3.株式の分散を防ぐ
黒「3つ目のメリットは、株式の分散を防ぐことができるという点です。一般的に複数の会社の事業承継を行う際には、株式が分散してしまう恐れがあります」
――株式が分散すると、どのような問題があるのでしょうか?
黒「後継者の持株比率が低いと、思うように会社の指揮を執ることができず、経営が不安定になる可能性があります。しかし、ホールディングス化することで、各子会社の株式は持株会社が所有することになり、株式の分散を防ぐことができます。すると、後継者がグループ全体の経営権を握り、安定した経営につながります」
4.「グループ通算制度」を選択できる
黒「4つ目のメリットは、2022年4月からはじまったグループ通算制度が選択できることです。
――「グループ通算制度」とはどのような制度ですか?
黒「簡単にいうと、ホールディングス化された親会社・子会社が、黒字の会社と赤字の会社を損益通算することができるという内容になります。新たに適用するには申請が必要です。グループ内に毎年赤字の会社がある場合や繰越欠損金を持っている会社がある場合、グループ全体での節税につながります。
ただし、グループ内に資本金が1億円以上の会社が1社でもあると、グループ内のすべての会社が中小法人に該当しなくなる点には注意が必要です」
――事業承継を考えているオーナー社長には、検討すべきメリットがたくさんあるのですね。
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黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
税理士法人グランサーズの新進気鋭の税理士が解説
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