相続税が“億単位”で変わる可能性…事業承継に悩む「中小企業」こそ検討したい〈ホールディングス化〉の裏ワザ【税理士が解説】

相続税が“億単位”で変わる可能性…事業承継に悩む「中小企業」こそ検討したい〈ホールディングス化〉の裏ワザ【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

事業承継時の税負担は、多くの中小企業経営者にとって深刻な課題です。「ホールディングス化」は大企業だけの話だと思われがちですが、税理士法人グランサーズの共同代表で公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏は、中小企業こそ「ホールディングス化」による税務メリットが大きいと指摘します。今回は、その具体的な税務メリットについて詳しくみていきましょう。

HD化すれば、株式の分散も防げる

3.株式の分散を防ぐ

黒「3つ目のメリットは、株式の分散を防ぐことができるという点です。一般的に複数の会社の事業承継を行う際には、株式が分散してしまう恐れがあります」

 

――株式が分散すると、どのような問題があるのでしょうか?

 

黒「後継者の持株比率が低いと、思うように会社の指揮を執ることができず、経営が不安定になる可能性があります。しかし、ホールディングス化することで、各子会社の株式は持株会社が所有することになり、株式の分散を防ぐことができます。すると、後継者がグループ全体の経営権を握り、安定した経営につながります」

 

4.「グループ通算制度」を選択できる

黒「4つ目のメリットは、2022年4月からはじまったグループ通算制度が選択できることです。

 

――「グループ通算制度」とはどのような制度ですか?

 

出典:財務省
[図表3]グループ通算制度のイメージ 出典:財務省

 

黒「簡単にいうと、ホールディングス化された親会社・子会社が、黒字の会社と赤字の会社を損益通算することができるという内容になります。新たに適用するには申請が必要です。グループ内に毎年赤字の会社がある場合や繰越欠損金を持っている会社がある場合、グループ全体での節税につながります。

 

ただし、グループ内に資本金が1億円以上の会社が1社でもあると、グループ内のすべての会社が中小法人に該当しなくなる点には注意が必要です」

 

――事業承継を考えているオーナー社長には、検討すべきメリットがたくさんあるのですね。

 

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黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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