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「変わり者」と言われても…倹約と貯蓄を極めた男性
老後に向けていくら準備すれば安心か――。多くの人が意識するきっかけとなったのが「老後2,000万円問題」です。2016年の総務省家計調査に基づき、夫婦（夫65歳以上・妻60歳以上）の無職世帯では、公的年金などの収入と生活費の差が毎月約5万5,000円、30年間で約2,000万円の赤字になると算出されました。
実際には収入・支出は家庭ごとに異なりますが、年金だけでゆとりある生活を送るのは難しいのが現実です。だからこそ、現役時代から自助努力で資産を作ることが求められます。
しかし、資産づくりに終始することが必ずしもいいことなのか。鈴木さん（67歳・仮名）は「私は違うと思う」とキッパリ語ります。
鈴木さんは長年勤めた会社を退職。65歳から年金生活が始まりました。夫婦の年金は月24万円。60歳で受け取った退職金は全額投資に回しており、5年間で3,000万円まで増えていました。それ以外にも3,500万円の貯蓄があり、合計約6,500万円の資産を築いていたといいます。
誰もが羨む安泰の老後。この潤沢な資産形成の背景には、時には「変わり者」と言われるほどの徹底的な節約生活がありました。
貧しい家で育ったという鈴木さん。高校生のときから飲食店でアルバイトに励み、稼ぎのほとんどを貯金。友人が旅行や遊びに費やす中、鈴木さんは通帳の残高を増やすことに喜びを見出しました。
