現実の壁…再就職は厳しく、年収は半減
次に趣味の登山や釣りを活かそうと、ライフスタイル系雑誌の編集部に応募。しかしここでも、「経験不足」で不採用に。
最終的には、前職時代の縁を頼って、食品メーカーの下請け会社に再就職。現在の年収は400万円、月の手取りは25万円ほど。賞与はありません。
「今の給料で文句を言っちゃいけないのは分かっています。でも、正直“少ない”と感じてしまいます。年収は半分以下ですから」
「娘に子どもができたら、教育費も援助してあげたい。でも、貯金を取り崩すのは怖いし……。年金と少しの蓄えだけじゃ、とても余裕なんて持てません」
国民生活基礎調査(2022年)によると、高齢者世帯の「平均貯蓄額」は1,603万円。一方で、20%近い高齢者世帯が「貯蓄なし」とも言われており、原田さんのように“高収入→激減”というケースでは、金銭感覚の変化が追いつかず、老後破産リスクも懸念されます。
「“あのまま辞めてなかったら……”って、2日に1回は思いますよ。でも、もう戻れないし……」
「今の会社は人も悪くないし、仕事内容も無難。でも、このままあと5年で定年、さらにその先も……って考えると、怖くなってくるんです。まだ人生20年以上あるんですよ。だからやっぱり、“何か”を見つけたい。人生を楽しむための何かを」
