(※写真はイメージです/PIXTA)

かつて“夢の象徴”とされたタワーマンション。今では若い世代の間でも、SNS映えやブランド志向から「一度は住んでみたい」と憧れる存在になっています。しかし、その実態は決して富裕層だけのものではなく、平均的な収入でも“期間限定のタワマン暮らし”を楽しむ人たちも増えているようです。

平均収入でも“豊かに見える”ワケ

住宅金融支援機構の『住宅ローン利用者調査(2024年4月)』によれば、変動型や固定金利選択型ローンを利用する人のうち、約4割が「リスクや仕組みに不安・理解不足を感じている」と回答しています。

 

“人生最大の借金”といわれる住宅ローンを「なんとなく」で抱える人も少なくないなか、坂本さんのように「すでに住まいが確保されている」という状況は、大きなアドバンテージです。

 

「結婚のとき、貯金通帳に200万円あったので、それを妻に預けました。今は妻が家計を管理していて、お小遣いは月4万円です。飲み会や趣味も特にないので、特に困ったことはありません」

 

老後資金への不安は?と聞くと、こう答えてくれました。

 

「正直、まだ実感がわかないです。もちろん、子どもができたら出費も増えると思いますが、そのときはそのときで全力で働きます。“そこそこ”な生活が続けば満足かなと思っているし、そのための努力はしています」

 

坂本さんは、「いずれ家に戻る前提で、タワマンは一時的な住まい」と考えています。その柔軟な選択肢が持てるのは、やはり実家の“資産”があるからこそ。現在のタワマン生活も、あくまでその延長線上にあるのです。

 

日本では少子高齢化や人口減少により、空き家が急増しています。タワーマンションの建設が進む一方で、住み手のいない住宅も増加傾向です。

 

一見、同じ「年収400万円」でも、実家の資産状況によって人生の選択肢は大きく異なります。坂本さんのように、「タワマンを経験して、飽きたら実家へ」という選択ができる人は、数字には表れない“強さ”を持っているのかもしれません。

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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