外国の専門家も驚く独特な日本の信託税制。外国信託を組成する際に留意しなければならないこと【弁護士が解説】

外国の専門家も驚く独特な日本の信託税制。外国信託を組成する際に留意しなければならないこと【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

外国信託とは、外国の準拠法に基づいて、外国で組成された信託を指します。外国信託を利用する日本居住者も少なくありませんが、日本の信託税制は諸外国と比較すると独特で、その点を理解していない外国専門家が組成することで思わぬ問題が発生することがあります。本稿では、外国信託の日本での法務・税務の取扱いに関する留意点について、解説します。

3. 外国信託の日本における税務上の取扱い

租税法固有の概念を除いては、租税法が用いる概念は、私法において用いられる意味と同一に解すべきという統一説が、判例・通説・実務的な考え方とされています。ただ、外国信託のような外国法の概念が日本の租税法上どのように扱われるかは、外国信託については直接正面から検討した判例はなく、学説レベルにおいても議論もされ尽くされていない状況です。

 

もっとも、デラウェア州法を設立準拠法とするLimited Partnershipの法人該当性が問題となった事案について、ある組織体が租税法の法人に該当するかは、我が国の課税権が及ぶ範囲を決する問題として、①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから、当該組織体が当該外国の法令において、日本法上の法人に相当する法的地位が付与されているかを検討し、これができない場合に②当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から、当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきとした最高裁判決(最判平成27年7月17日)等を考慮すると、外国法を準拠法とする外国信託においては、当該準拠法による信託の概念・仕組みは理解し考慮した上で、日本の信託法の概念をベースに租税法の適用を検討することが合理的であると考えられます。

 

外国信託の税務上の取扱いを正面から検討した判例は現時点で出ておらず、今後も外国信託については専門家としても明確な回答が出しにくい状況が継続するようにも思われます。

 

ただ、エステートプランニング及びファミリーガバナンスとしては、日本の現在の税制・判例を考慮して可能性のあるリスクを洗い出し、そのリスクヘッジをしつつも、ファミリーの希望をなるべく活かすプランニングが求められるものと考えています。

 

問題はそのリスクの洗い出しすらしないまま、あるいは不十分なままエステートプランニングを敢行してしまう専門家も少なくないということです。また逆にリスク回避のために外国信託を利用しないといった極端なアドバイスをされる専門家も少なからずいるということです。

 

外国信託を利用することが依頼者ファミリーにとって有用な事例はあります。ただ、そのためには、日本の専門家と外国信託を組成する側が緊密に連携して進めていくことが不可欠ということです。

 

 

酒井 ひとみ
シティユーワ法律事務所

 

“海外移住”で可能な“圧倒的な節税”
「ドバイ」「シンガポール」「マレーシア」と
日本の税制・生活環境・教育事情を簡単比較
>>>5月26日(火)LIVE配信

 

富裕層だけが知っている資産防衛術のトレンドをお届け!

>>ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部<<

ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部が

主催する「資産家」のためのセミナー・イベント

 

【5月13日開催】

一級建築士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、相続専門税理士
4つの視点による「相続税土地評価」と相続対策の進め方

 

【5月14日開催】

日経平均株価60,000円超えからの挑戦!
スパークスが考える、魅力的な企業への「長期集中投資」

 

【5月16日開催】

「京都の町家」投資の魅力

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧