「やり直し」は難しくない?
「このまま終わりたくない、と思っています。でも何を始めたらいいか、正直わかりません」
そう語る高野さんは、最近、週末に資格の勉強を始めたといいます。まだ明確な目標があるわけではないものの、「何かを変えたい」という思いが少しずつ芽生えてきているとのことです。
人生100年時代を見据え、厚生労働省では社会人の再教育(リカレント教育)や職業能力の向上支援を行う「キャリア形成支援」策を進めています。また、政府全体でも中途採用市場の活性化や、多様な働き方の推進が課題とされており、ミドル層のキャリア再構築を後押しする動きが広がりつつあります。
高野さんが感じた“敗北感”の背景には、学歴や年収といった「見える指標」に縛られた価値観があるのかもしれません。しかし、そこで思考を止めず、「いまから何を始めるか」を見つめ直すことこそが、これからの社会に必要な視点だと言えるでしょう。
「この先どう生きるかは、自分次第だと思いたいんです」――そう語る高野さんの表情には、わずかに前を向く力が宿っていました。
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