(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢になると、将来への不安や心細さから、つい子どもに頼りたくなる親も少なくありません。しかし、その“頼り方”が子どもにとっては重荷となり、親子関係がこじれてしまうこともあります。なかでも金銭的な援助や連絡の頻度をめぐるすれ違いは、感情的な断絶に発展しやすく、時には“絶縁”という形で表れることも。

「連絡を断つことでしか、自分を守れない」

親に悪気はなくとも、子ども側には無意識の“精神的負担”となっていることもあります。とくに「経済的に余裕がない」「家庭が忙しい」などの事情が重なると、「連絡を断つことでしか、自分を守れない」と感じる人もいるのです。

 

しかし、こうした“音信不通”が高齢者にもたらす影響は深刻です。

 

精神的な孤独感は、うつ症状や健康悪化に直結しやすく、実際に高齢者の自殺リスク要因にも「家族関係の希薄化」が挙げられています。

 

澄子さんは、地域の民生委員の紹介で「高齢者の見守りサービス」に登録し、週に1度の電話サポートを受けるようになりました。現在は介護予防センターのスタッフとも定期的に連絡を取っているといいます。

 

「娘とは、まだ話せていません。でも、もう一度ちゃんと親子として向き合える日が来ることを願っています」

 

年金だけでは生活が成り立たず、頼りたい相手には距離を置かれ、孤独と向き合う高齢者が増えています。

 

「親子だから」「家族だから」という甘えが、いつの間にか“負担”や“すれ違い”になってしまうこともある今。

 

大切なのは、お金や距離の問題以前に、「相手の立場を尊重する対話の姿勢」なのかもしれません。

 

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