(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢になると、将来への不安や心細さから、つい子どもに頼りたくなる親も少なくありません。しかし、その“頼り方”が子どもにとっては重荷となり、親子関係がこじれてしまうこともあります。なかでも金銭的な援助や連絡の頻度をめぐるすれ違いは、感情的な断絶に発展しやすく、時には“絶縁”という形で表れることも。

「着信拒否されてるって、どういうこと…?」

東京都江戸川区に住む宮田澄子さん(仮名・76歳)は、ひとり暮らしを始めて10年になります。夫を10年前に亡くし、現在は月13万円の老齢年金を頼りに、持ち家のマンションで暮らしています。

 

「そんなに贅沢しているわけじゃないの。食費も切り詰めて、交際費もほとんどない。だけど年金だけじゃ、やっぱりギリギリで…」

 

家計を助けていたのは、40代の長女・真理さん(仮名)からの“毎月1万円の仕送り”でした。額は大きくはないものの、食費や医療費の足しとして、心の支えにもなっていたといいます。

 

しかし、ある日突然その仕送りが止まり、連絡も取れなくなりました。

 

「LINEの既読がつかなくなって、電話にも出てくれない。自分の番号からかけるとツーツーって切れるのに、もしかして…と思って公衆電話からかけたら、呼び出し音が鳴ったんです。まさか着信拒否されてるなんて、思いもしなかった」

 

思わず泣き崩れたという澄子さん。娘との関係は決して悪くなかったと振り返ります。

 

「口うるさいことを言ってしまったかもしれないけど、“母娘なんだから、何でも言っていい”と思っていたんです」

 

きっかけとして思い当たるものは、数ヵ月前の何気ない会話だったといいます。

 

「“最近忙しいのよ”って言うから、“たまには孫の顔も見せてよ”って言っただけのことです。そしたら、急に黙ってしまって…」

 

その後、電話の回数は徐々に減り、返信も素っ気なくなったといいます。

 

「私が悪いんでしょうか。あれから何度も考えました。子どもにとって私は、もう“負担”でしかないのかなって」

 

澄子さんのように、“連絡が絶たれた親世代”は少なくありません。

 

親と子が交流を持たなくなる理由としては、「価値観の違い」「経済的負担の不満」「介護の押し付け合い」などが挙げられます。特に“頼られることへのストレス”が蓄積すると、子ども側が一方的に関係を断つケースも。

 

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