今からでも遅くない、“親の資産”の見える化
啓介さんは語ります。
「父は昔から“自分のことは自分で決める”タイプで、お金の話をするのも避けていました。でも、結果的にそれが命取りになってしまった。もっと早く踏み込んでいればと後悔しています」
今回の件を機に、啓介さんは隆さんの口座や保険をすべてリストアップし、見守りサービスにも登録しました。定期的に金融取引の通知が家族にも届くようにしたことで、父も安心しているといいます。
「年金だけでは生活が厳しい時代。退職金があっても、使い方ひとつで老後はあっという間に不安定になります。お金の話を“タブー”にせず、家族間でオープンにしていくべきだと痛感しました」
高齢者のお金は“見えづらく”、そして“失われても気づきにくい”という二重のリスクを孕んでいます。老後の安心は、本人の自立心と家族の適度な関与のバランスによって守られるのかもしれません。
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