姉妹の不公平感が、時間を経て爆発したワケ
Aさんはうなだれました。自分では娘たちに公平に愛情を注いできたつもりです。しかし、次女は「不公平だ」という思いをずっと抱えていたのでしょう。
実際、教育費や住宅購入援助など、ライフイベントにまつわる支出の大小は、兄弟姉妹間で敏感に比較されがちです。親に悪気がなくても、「私はないがしろにされた」「姉ばかり優遇された」といった感情が長く残ることは少なくありません。そしてその感情は、親が弱ったときや相続の場面で一気に表面化してしまうのです。
また、親の介護は、子どもにとって大きな負担になります。だからこそ、押し付け合いが始まってしまったことは間違いありません。
「娘に面倒を見てもらう」という前提だったAさんですが、介護保険を使い、訪問介護やデイサービスなど、専門のサービスを受けることができます。家族が全面的に介護を担わなくても、プロの支援を組み合わせることで、本人も子どもも無理のない形で生活を続けられるのです。
また、施設への入居という選択肢もあります。費用はかかりますが、「誰がどの程度負担するか」という争いを避けられる点ではメリットがあります。
さらに、将来の相続を見据えて準備をしておくのも一つの解決策です。 もしどちらかの子が介護の負担を多く担った場合には、その分を遺言書で多めに残すよう明記しておく方法があります。
寄与分として法的に評価されるケースもありますが、あらかじめ親自身が意思を示しておくことでトラブルを減らすことができるのです。
Aさんの決断
最終的に、Aさんは持ち家を含む財産を多めに次女に遺すことを約束。弁護士に依頼し正式に書面として残しました。それと共に、改めて進学の際に本当の希望を聞いてあげられなかったこと、不満に気づいてあげられなかったことを詫びました。
次女は、密かに抱えていた不満が解消されたのでしょう。元々面倒見がいいのもあって、Aさんのサポートを前向きにしてくれるようになったといいます。長女も「妹の不満は、よく考えたら当然のこと」と納得。土日にできることならと、可能な範囲でAさんのサポートしてくれているとか。
お金は、家族をつなぐこともあれば、引き裂くこともあります。Aさんのケースでは丸く納まりましたが、長女が納得しなければ骨肉の争いに発展していた可能性も。大切なのは、「お金をどう使うか」と「愛情をどう伝えるか」。その2つを怠らないことが、後悔しない老後につながるのかもしれません。
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