(※写真はイメージです/PIXTA)

2025年の世界の金融市場は、トランプ政権がもたらす不確実性等を背景に、大きく揺れ動いています。こうした先行きの見えにくい不透明な投資環境の中、米国以外の安定した投資先を求める投資家の間で、オーストラリア株への関心が高まりつつあります。

※本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が2025年9月3日に配信したレポートを転載したものです。

〈〈元のレポートはコチラ〉〉

 

本資料では、①米ドルからの分散先として注目のオーストラリア株、②安定した配当の積み上げが支える長期で良好なパフォーマンス、③株式市場を支える強固な年金制度といった3つの観点からオーストラリア株の魅力的な特徴をご紹介します。

金融緩和等を追い風にオーストラリア株は史上最高値を更新

2025年8月21日のオーストラリア株式市場では、金融緩和等を追い風にS&P/ASX200指数が節目となる9,000ポイントを突破し、史上最高値を更新しました(図1)。

 

また、2025年初来の主要国の株価を見ると、オーストラリア株が比較的安定して推移していることが分かります(図2)。

 

 

オーストラリア株は、長期の視点で見ても様々な危機を乗り越え成長を続けてきました(図3)。

 

 

米ドルからの分散先として注目のオーストラリア株

大手ハイテク株中心に株価が堅調な米国ですが、一部では過熱感も見られます。名目GDPとの比較では、米国株に割高感がある一方、オーストラリア株には相対的に割安感が残っています(図4)。

 

また、代表的なバリュエーション指標である12ヵ月先予想PER(株価収益率)でも、2025年8月末時点でオーストラリア株は約20倍の水準にあり、米国株の約23倍と比べて相対的な割安感が残されていると考えます(図5)。

 

 

トランプ関税をめぐる不透明感や、財政赤字拡大への懸念等から市場では「米ドルの信認問題」に対する議論が高まっており、米ドル安進行の裏側で豪ドルが見直されつつあります(図6)。

 

過去においては、米ドル安が進行する局面でオーストラリア株の対米国株の相対パフォーマンスが上昇する傾向にありました。米ドル安の進行が続く環境下では、通貨分散の観点から主要な豪ドル建て資産であるオーストラリア株への投資を再評価する余地があると考えられます(図7)。

 

 

安定した配当の積み上げが支える長期で良好なパフォーマンス

オーストラリア企業は、「配当による株主還元」を重視する傾向にあることから、相対的に配当利回りが高く、配当性向も魅力的な水準にあります(図8)。

 

オーストラリア株の配当利回りは相対的に高水準で推移してきました(図9)。

 

 

オーストラリア株の安定配当は長期的にトータルリターンの押し上げに寄与しています(図10)。

 

 

株式市場を支える強固な年金制度

オーストラリアでは会社が給与額の一定割合を拠出する「スーパーアニュエーション(年金基金)」という年金制度が存在しており、同基金からの安定した資金流入が、株式市場の長期的な成長を支える重要な要因となっています(図11)。

 

業界予測によれば、スーパーアニュエーションの総資産は2023年12月末の3.8兆豪ドルから2035年には最大で8.5兆豪ドルにまで拡大が見込まれており、中長期的な年金資金の流入がオーストラリア株の安定的な下支え役となることが期待されています(図12)。

 

 

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