「背伸びの生活」は長くは続かない
国土交通省の調査によると、分譲タワーマンションの空室率は近年上昇傾向にあり、「投資用」として保有される部屋が増えています。恵梨香さんのように、“身内が所有する空き部屋”に住む人も少なくありません。
しかし、そうした住まい方には実態と見た目のギャップが生まれやすく、ライフスタイルや人間関係に影響を与えることがあります。
生活支出が収入を上回れば、家賃がかからなくても“背伸びの暮らし”は破綻します。総務省『家計調査(2024年)』によると、34歳以下の単身女性の1ヵ月あたりの消費支出は平均で約21万4,000円。住居費の有無などで個人差はあるものの、20万円を超える水準で生活している若年層も少なくありません。
服飾費や交際費、サブスク、外食・旅費など、固定費以外の“見えない出費”が増えがちです。
「無理して合わせようとするの、もうやめました。いまは家賃6万円の1Kに引っ越しましたが、自分らしく生きられている気がします」
恵梨香さんはそう微笑みながら、今も週末になると近所のベーカリーでお気に入りのパンを買うのが楽しみだと語ってくれました。
