高齢になるにつれ資産が増え、結局使い切れない?
日本人は堅実という印象を持つ人は少なくないでしょう。むしろ「お金を貯めこみすぎる」側面もあると言われています。
総務省の「2019年全国家計構造調査」によると、世帯主の年齢別にみた家計の金融資産残高の平均は、30歳未満が約195万円、30代でおよそ520万円、40代で911万円、50代では1,400万円を超え、60代で約1,896万円と最も多くなっています。その後は70代で1,734万円、80歳以上で1,619万円と緩やかに減少していきます。
60代をピークに70代・80代でも資産の取り崩しは思ったほど進まず、老後に入っても金融資産は大きく減らない傾向がうかがえます。
もちろん、子どもに資産を残すなど明確な目的があるなら問題ありません。しかし「年を取ってからはお金の使い道がなくなった」「若いうちにもっと使えばよかった」と悔やむ声も少なくないのです。
資産を作ることはゴールではない
会社員を続けること自体は悪い選択ではありません。ですが、佐藤さんのように退職したらやりたいことがあり、資産もあるのにも関わらず不安に囚われ「まだ足りない」と思い続けてしまう。このままでは、資産を築いたにもかかわらず「使わずに終わる人生」になりかねません。
資産を築くことはゴールではなく、スタートラインに過ぎません。大切なのはどう使い、どう生きるか。まだ足りないと思い続けるうちに時間が過ぎてしまえば、せっかくの資産も人生を豊かにする力を発揮できません。本当にやりたいことがあるなら、踏み出すのは今かもしれません。
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