(※写真はイメージです/PIXTA)

親の老いを感じることが増えると、誰しも考える「相続」の話。しかし、いざ切り出そうとすると、予想外の反応や感情の衝突に見舞われることもあります。「縁起でもない」「まだそんな話しないで」と言われ、話し合いすらできない――。そんな“相続アレルギー”が、のちに家族を大きく揺るがすこともあります。

「そんな話、今することじゃない!」母の怒りと長男の戸惑い

「まだ元気なうちに、ちゃんと話し合っておいたほうがいいと思ったんです。でも…あんなに怒るなんて」

 

そう語るのは、東京都内で暮らす会社員の山下健介さん(仮名・52歳)。一人暮らしをする80代の母親のことが心配で、最近は介護や実家の管理について兄妹で話し合う機会も増えていました。

 

そんなある日、健介さんはふとしたタイミングで母に「相続についても少し考えておいた方がいいんじゃない?」と切り出しました。すると、母の表情が一変したのです。

 

「…なに? あんた、もう私を死なせる気なの?」

 

静かな声でそう言った母の顔には、怒りと悲しみが交錯していました。

 

「そんなつもりじゃないよ。ただ、あとで揉めたりしないようにって――」

 

「今ここでそんな話をする必要があるの? 私はまだ生きてるのよ!」

 

母は声を荒げ、以降その話題は一切禁止。気まずい空気が流れ、健介さん自身も「早まったのかもしれない」と後悔したといいます。

 

それから3年後、母は突然の脳梗塞で入院。回復はしたものの、言葉がうまく出ず、意思疎通も難しい状態に。自宅に戻るのは困難と判断され、施設入居の手続きを進める必要が出てきました。

 

そのとき、問題となったのが「実家の名義」でした。父の遺産を母が相続して以降、名義は母の単独。しかし母は遺言も作っておらず、今後の実家の処分や財産分配をどうするかは白紙の状態でした。

 

「兄妹で話し合いを進めようにも、母の意思がわからない。売るのか、残すのか、誰がどこに住むのか、介護費用はどう分担するのか…すべてが中途半端になってしまいました」

 

結局、妹夫婦は「家を売って現金化しよう」と主張。健介さんは「それは母が嫌がるだろう」と反対。しかし母本人に確認するすべもなく、兄妹は険悪な関係になっていきました。

 

「もっと早く、あの時にしっかり話せていたら…」という健介さんの言葉には、深い後悔がにじみます。

 

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