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お金を使わない3つのリスク
富を隠すことには、お金を使う機会を狭めてしまうという側面もあります。以下のようなリスクが考えられます。
1.相続税の課税リスク
Aさん夫婦は今後も運用を継続したいと考えているため、運用による利益が想定されました。利回りを堅く見積もっても、一年あたりの運用益は数百万円。一方、年金受給後はAさん夫婦の基本的な生活費は年金から賄える見込みで、日常的な金融資産の取り崩しはなさそうです。Aさんの金融資産は相続税の基礎控除額を超える規模となることが考えられ、その結果、子どもには将来税負担が生じる可能性がありました。
2.家族との交流の機会を失うリスク
Aさん夫婦は「子どもが困ったときには助けてあげたい」「いずれは必要に応じて公平に財産分与を」と考えていましたが、子どもに直接伝えたことはなかったそうです。
子どもにお金についての話をしていないご家庭では、子どもが「うちにはお金がない」と誤解しているケースが見受けられます。誤解が積み重なると、「迷惑をかけたくない」と考えて親に頼らず、結果として親子の会話や交流の機会が減ってしまうことも。経済的な事実を共有しないことが、親子関係そのものに距離を生むリスクにつながる可能性があることを知っておきましょう。
3.認知能力低下リスク
もし認知能力が低下すると、金融資産は自由に引き出せなくなる可能性があります。銀行や証券会社でお金を引き出す際には、本人が自分の意思で行っていることを確認する必要がありますが、認知症などで判断力が低下すると、預金引き出しの手続きが「本人の意思によるものかどうか疑わしい」と判断され、本人の財産を守るために、金融機関が取引を制限する、といった対応が取られることがあるためです。
また、認知能力が低下すると、財産管理のために成年後見人をつけることを求められる可能性がありますが、多額の金融資産が残っていると、成年後見利用のコストは高くなる可能性があります。財産管理事務が複雑・困難とみなされ、成年後見人や監督人への報酬が高くなる可能性があるためです。
人生の晩年のために、と残していても、思わぬコストや制約により、自由に使える金額や相続できる金額が減ってしまう可能性があります。こうしたリスクは、リタイア後ではなく、リタイア前に準備しておくことでよりよい対策をたてることができます。
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