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老後の“安心”を求めて入居したが…
「ここに入れば、やっと安心して暮らせると思っていました。まさか、こんなに不自由になるとは…」
そう語るのは、都内の介護付き有料老人ホームで暮らす78歳の中村修一さん(仮名)です。中村さんは長年、団地でひとり暮らしをしていましたが、数年前から足腰が弱くなり、通院や買い物も難しくなってきたことをきっかけに施設への入居を決めました。
妻には早くに先立たれ、子どもは県外に住んでおり、すぐに頼れる家族はいません。自分の身に何かあったときの不安や、孤独感から解放されたい──。そんな思いから、民間の介護付き有料ホームを自ら探し、入居を決断しました。
年金は月に約13万円。入居先は「入居一時金不要、月額利用料約12万5千円」という、比較的リーズナブルな施設でした。
「ここならギリギリやっていける」と踏んでの決断でしたが──、その想定はすぐに崩れていきます。
入居後、修一さんは生活の“息苦しさ”を感じ始めました。
「まず、美容室のカット代が3,000円。施設の中にあるから外出しなくて済むのは助かるけれど、頻繁には通えない。オムツ代も月5,000円ほど。通院の送迎にも追加料金がかかると知ったときは、正直驚きました」
外出や日用品の購入にも細かいルールがあり、自由が利きにくいこともストレスでした。
「食事は1日3食出るけれど、味が合わないこともある。たまには外で好きなものを食べたくなるけど、外出届や同行の手続きが必要。自由に動けたころの生活とは、まるで違います」
さらに、施設での人間関係も孤独を深める一因になりました。
「入居者は80代〜90代が多く、あまり会話が噛み合わないんです。スタッフの皆さんは親切だけど、忙しそうで話し相手にはなってくれない」
「安全ではあるけれど、心が満たされないんです。もう少し“人とつながる生活”ができると思っていたのに…」
