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訴訟を示唆する親会社に対し、不正の証拠を提示して反論
面談が始まると、相手は案の定、私が勝手に営業会社を作ったことを突いてきました。株主総会の議題にも上げず、なに勝手なことをしているのか、というわけです。そして、訴訟も考えていると脅してきました。
そこで私は、これまで証拠として積み上げてきたことを一つひとつ列挙していきました。
●株式総会が大事だというが、これまで株主総会が開かれた実績は一度もない。
●確かに議事録らしきものは残っているが、父も私もそこに署名したことは一度もないし、そこに押印されている私と父の印鑑も、私たちのものではなく偽造されたものではないかと思う。もしそうであれば有印私文書偽造罪に該当すると思われる。
●もし、この議事録がすべて捏造されたものなら、そこに書かれている内容はすべて無効である。もう一度、それぞれの決議をやり直してもらいたい。
●親会社会長はこれまで、県議会議員選挙に立候補するための資金として、キャステムから合計1億円の資金提供を受けているとあるが、これも無効なので、そのお金はこちらに返金願いたい。
●父はキングインベストの代表取締役社長だったはずだが、創立の1970年からの15年間はその登録がない。これはなぜなのか。
●かつてキャステムに在籍していた技術部長が最近B社という部品販売商社を設立し、その関係者にM製菓の現社長も名を連ねている。技術部長はかつてキャステムを裏切ってK製作所についた人物だが、現社長は裏切り者の技術部長とどのような関係にあるのかご説明願いたい。
●これ以外にも、キャステムの株主総会や事業運営に関する不法行為の記録があるので、訴訟になった場合にはこれらも証拠として提出したい。
これらの事実について説明すると、M製菓の社長は急に押し黙ってしまい、同行していた幹部社員の耳元で何かささやき、立ち上がりました。するとその社員も立ち上がりながら、「それらの証拠をすべて文書にしてこちらにお送りください。検討のうえ、また連絡します」と言い残し、社長と2人で出ていきました。第1ラウンドは意表を突いたこちらの勝ちだと思いました。
戸田 拓夫
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