食事量が変わらないのに、お腹がすぐいっぱいになるようになった
猫背になると背中が丸まってしまうため、胸郭が狭くなります。胸郭とは胸椎や肋骨(ろっこつ)、胸骨で囲われた部分の空洞のことであり、カゴ状になっています。猫背になると背中が丸くなり、胸郭が押し下げられます。すると胃が圧迫され、少し食べただけでもお腹がいっぱいになってしまうことがあるのです。
さらに近年では、猫背が逆流性食道炎と深い関わりがあることも分かっています。逆流性食道炎とは胃の内容物が胃酸とともに食道内に逆流することで、食道の粘膜を傷つけるほか、胸焼けや胸痛、のどのつかえ、呑酸(どんさん)など不快な症状が起きる疾患のことをいいます。放置すると食道腺がんのリスクになることもあり、また高齢者の場合には逆流した胃酸を誤嚥(ごえん)することで、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるため注意が必要とされています。
なぜ猫背になると逆流性食道炎になりやすいのかというと、前屈みの姿勢が腹圧を上昇させるためと考えられています。
そのほかにも猫背で内臓が圧迫されると、腸に大きな負担をかけることから便秘になりやすくなります。また、すぐにお腹がいっぱいになってしまうため食事を楽しむことができず食欲がなくなり、栄養不良に陥ることもあります。
こうした症状の原因は内臓の異常ではなく、姿勢にあることも疑われます。そしてその悪い姿勢を作っている原因は、骨粗鬆症かもしれないのです。
すぐに息切れするようになった
これまでなんともなかった階段の上り下りが、気づいたらつらくなっていた、少し歩いただけで息切れするようになったという場合も、普段から猫背になっている証拠です。背中が丸くなることにより肺が圧迫され、息を深く吸ったり吐いたりすることができなくなっているのです。
息切れがするということは、呼吸が浅くなっているということです。呼吸が浅いと肺に酸素が行き渡らず、常に酸素不足の状態に陥ってしまいます。そのため、ちょっとしたことで疲労を覚えたりストレスを感じたりすることが多くなり、仕事や勉強のパフォーマンスも低下したり、集中力がなくなったりします。
また、呼吸が浅いと自律神経が乱れ、うつ病の発症リスクが高まります。
若いときにはどうということもなかった動作が、急に息苦しくなったと感じると年のせいと片付けてしまいがちです。しかしそれは年のせいではなく猫背のせいであり、その猫背は骨粗鬆症に由来しているかもしれないのです。
大村 文敏
高円寺整形外科
院長
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