重大疾患になるリスクは健常者の3.5倍
骨粗鬆症を放置すると、合併症のリスクも高まります。
学術団体の日本内科学会は、骨粗鬆症の患者は、心筋梗塞をはじめとする心血管疾患を引き起こすリスクが健常者の3.5倍も高くなるとしています。骨粗鬆症を発症すると骨からカルシウムが溶け出し、それが血管の壁に沈着してしまうからです。
また、細胞に余分なカルシウムが取り込まれて沈着すれば、免疫細胞が活力を失ったり、脳細胞の活性が失われて認知症の原因になったり、インスリンの分泌が悪くなって糖尿病のリスクが高まったりします。
カルシウム摂取不良により体内でカルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶け出し、結果的にカルシウムが血管壁などで増え、動脈硬化、糖尿病、高血圧などさまざまな疾病が起こります。この現象のことを、「カルシウムパラドックス」と呼びます。
骨粗鬆症が引き起こすカルシウムの溶出は、血管や細胞の働きを悪くして、全身の健康にも悪影響を及ぼしてしまうのです。
骨粗鬆症は早めの対策が肝心
骨粗鬆症は要介護の要因となり得る重大な疾患であり、椎体骨折や大腿骨近位部骨折が生じると、5年後の死亡率はがんや脳梗塞よりも高くなります。常日頃からケアしなければ、いずれ骨粗鬆症による脆弱性骨折を患い、「あのとき、もっと骨を気にすればよかった」「早く検診を受ければよかった」と悔やむことになるのです。
それを防ぐには、少しでも早く骨の状態に目を向け、わずかな兆候も見逃すことなく、骨粗鬆症の予防に努めることが肝心です。
骨粗鬆症は怖い病気ですが、過度に恐れることはありません。食事や運動、日頃の生活習慣を見直すだけで十分予防できます。近年は治療法もめざましく進歩しています。次々と新たな治療薬が登場し、患者の症状、骨折履歴、既往症などに応じて柔軟に対処できるようになりました。
骨粗鬆症は適切に策を講じれば、必ず克服できる病気なのです。
本書では、骨粗鬆症について、セルフチェックの方法から治療法、予防策までを網羅的に解説します。年を重ねても骨折しない丈夫な体をぜひ手に入れてください。
大村 文敏
高円寺整形外科
院長
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