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ペアローン、審査に落ちた本当の理由
信用情報の開示で、葵さんのスマホ割賦に過去の長期延滞の異動が保有中であることがわかりました。ペアローンは名義が別でも双方が主債務者として保証審査の対象です。どちらか一方に事故情報があれば、世帯年収が高くても全体で否決に振れやすくなります。ここに、現在進行形の数字が重なっていました。
まずは審査水準の返済額です。多くの金融機関は実行予定金利ではなく、金利上昇に耐えられるかをみる審査用金利で判定します。前提を年4.0%、35年、元利均等で揃えると、5,375万円の月返済は23万7,991円。二人で47万5,983円です。
次に各人の返済比率をみます。健太さんは住宅23万7,991円に自動車4万5,000円が重なり月28万2,991円、年換算で約339万6,000円。年収1,000万円に対し約34.0%です。葵さんは住宅23万7,991円に奨学金2万3,000円が重なり月26万991円、年換算で約313万2,000円。年収800万円に対し約39.1%です。一般的な目安である30〜35%を葵さんの枠が超えているため、延滞の異動と合わせて不利な判定になったと考えられます。
さらに、家計の固定支出が余力を圧迫します。管理費と修繕積立金で月5万8,000円、駐車場1万円、固定資産税1万3,000円、保険5,000円の合計は月8万6,000円。返済合計47万5,983円に足すと、世帯の毎月負担はおおむね56万1,983円です。
見落としやすいのが申込の出し方です。短期間に複数の金融機関へ事前審査を出した記録はしばらく保有され、慎重にみる保証会社ではリスクと評価されることがあります。勤続1年未満というタイミングも、同じ年収でも安定性の点で差がつきます。
つまり今回の否決は、単独の小さな遅れではなく、異動の保有、各人の返済比率、固定費、申込の集中、勤続の短さといった複数要因が積み重なった結果と考えられます。筆者は二人に、審査を通すための順序を提示しました。
