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結婚式で起きた奇跡、亡き母に送ったブーケプルズ
披露宴後の二次会での出来事です。新婦のお母様はすでに他界されており、お父様は一人娘の友達にぜひ挨拶をしたいと、その二次会に参加しました。
パーティーが佳境を迎えて行われたブーケプルズでは、30本のリボンが用意され、参加者が一斉にリボンを引きます。しかし、1本のリボンだけが余ってしまいました。そこで友人たちが気を利かせ、新婦のお父様が参加することになりました。
そこで奇跡が起きたのです。お父様が引いたリボンに、なんとブーケが結ばれていたのです。
新婦からブーケを受け取ったお父様はほほえみながら「このブーケはお母さんに持っていってあげるよ」と言いました。新婦も「そうだね、そうしてね」とうなずきました。まるでお母様が自宅で待っているかのような自然な会話に、参加者が感動して涙ぐんでいました。亡きお母様への思いが、見えない力を呼び寄せたように思えた瞬間でした。そのつながりは、家族の愛の深さを物語っていました。
娘から両親への感謝の気持ち
結婚式の準備のため、新婦は一足早く式場へと向かっていました。あとから家族が出かけるタイミングで、新婦のお母様が、玄関にそろえられた留袖用の草履の上に何か白いものがあることに気付きました。それは新婦からの感謝の手紙でした。
「結婚式を迎えることができて本当にうれしいです。今日までお父さんとお母さんが大切に育ててくれたから、私はこの日を迎えることができました。昨夜きちっと挨拶ができずにごめんなさい。お母さん! 戸締まりや火の元は大丈夫ですか? 先にホテルで待っています。気をつけてお出かけください」
この手紙を読んだお母様は、娘の心遣いにとても感激したそうです。
ドラマで見るような、花嫁が三つ指をついて両親の前で感謝の言葉を伝えることが、すべてではない気がします。きっと、式の前夜、両親に向けて挨拶したかったものの恥ずかしくてうまく言葉で伝えられなかった代わりに、どうしても感謝は伝えたいと思った新婦が、小さな手紙に気持ちを託して先に出かけたのでしょう。
お母様は私に「今朝はとてもうれしかった。娘からこんな言葉をもらったの」と話してくれました。その時のお母様の笑顔が、今も印象深く残っています。
感謝の言葉を形式どおりに伝えられなくても、その人らしい伝え方がうれしい記憶につながります。
