「遺言なんて必要ない」と笑った父…亡くなった数日後、押し入れ奥から出てきた〈現金1,000万円〉と家族の混乱

「遺言なんて必要ない」と笑った父…亡くなった数日後、押し入れ奥から出てきた〈現金1,000万円〉と家族の混乱
(※写真はイメージです/PIXTA)

遺産は事前にすべて把握できているとは限りません。故人が生前に「財産はほとんどない」と話していても、死後に現金や預貯金、不動産、さらには借金が見つかることがあります。遺言がないままこうした資産や負債が判明すると、遺産分割や相続税申告のやり直し、家族間のトラブルに発展することも少なくありません。

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「揉めない家族だから遺言はいらない」という危険な考え

遺言がないと、原則として法定相続分に従って分割協議を行います。しかし、現金や不動産の分け方で意見が割れれば、家族間で対立が深まります。本人しか知らない資産や借金が後から出てくれば、さらに混乱が長引きます。

 

今回、松井家は最終的に専門家を交え、法定相続分で現金を分けることで合意しました。しかし、妹は「父が元気なうちに遺言を書いてくれていれば…」とこぼします。

 

「揉めない家族だから遺言はいらない」という考えは、むしろ危険です。特に現金や不動産、株式など複数の資産がある場合は、誰に何をどのように残すのかを明確にしておくことが、家族の負担や関係悪化を防ぎます。

 

遺言は財産の多寡にかかわらず、家族にとって“最後のメッセージ”です。残された人たちが困らないために、元気なうちから資産や負債の整理と意思表示をしておくことが、相続トラブル予防の第一歩になります。

 

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