(※写真はイメージです/PIXTA)

この人には財産を渡したい、でも、あの人には1円たりとも渡したくない――。相続を考えるとき、こうした強い感情が大きな動機となることは少なくありません。特に、長年関係がこじれてしまった「子の配偶者」の存在は、問題をより複雑にします。「我が子に財産を遺しても、結局はその配偶者に渡ってしまうのではないか……」そんな不信感が、根深い相続問題へと発展していくのです。本記事では、節子さん(仮名)の事例とともに、感情と制度が交差する相続問題について合同会社エミタメの代表を務めるFPの三原由紀氏が解説します。※相談事例は本人の許諾を得てプライバシーのため一部脚色しています。

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84歳女性が抱える、長男の嫁への強い拒絶感

東京郊外の住宅街、2階建ての自宅に84歳の節子さん(仮名)は、一人で暮らしています。夫は15年前に他界し、子どもは長男・次男・長女の3人です。

 

節子さんは、夫が遺した2棟のアパート(築35年と築28年)を相続し、管理会社に任せながら賃料収入を得ています。不動産収入は月50万円、年金は月16万円(遺族厚生年金+老齢基礎年金)。生活に不自由はなく、預貯金も3,000万円ほどあります。

 

ところが最近になって、節子さんは周囲にこう漏らすように。

 

「私は絶対に“あの人”には1円たりとも相続させたくないの……」

 

“あの人”とは、長男の妻である美穂さん(仮名/54歳)です。結婚当初から関係はぎくしゃくしていました。

 

節子さんは長男の結婚に反対でした。長男は、代々受け継いできた土地と建物を引き継ぐ“跡取り”として、将来を託されていた存在。一方、美穂さんは一人娘。嫁側のご両親としては、内心では婿に入ってほしいという気持ちがあったのかもしれません。

 

結婚後、長男夫婦は美穂さんの実家近くに住み、生活の拠点は完全にそちらへ。節子さんの家には、冠婚葬祭と年末年始以外にはほとんど顔を出さず、泊まりに来たことも一度もありません。孫もすっかり嫁の実家にべったりで、なつく様子もみられませんでした。

 

そして、夫が亡くなってからは、お盆や正月でさえ訪れることがなくなりました。

 

「お母様は私のこと、気に入っていないと思いますから……」

 

美穂さんは、そういって開き直るような態度。節子さんの不信感は、決定的なものになっていきました。

 

「そんな人に、先祖から受け継ぎ、夫と守ってきた大事な財産を渡したくないんです。息子も息子で、あの嫁に丸め込まれてるに違いない。長男としての自覚もないくせに……。財産は当然のように一番多くもらえると思っている。勘違いも甚だしいですよ。本当に頼りになるのは娘だけなんです」

 

そう語る節子さんは、すでに公正証書遺言の作成に向けて準備を始めているといいます。

 

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