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父の終の棲家探しを積極的に手伝う長男夫婦
Aさんは、大手企業に勤めていたこともあり、年金受給額は300万円ほど。一人で暮らすには年金のみで賄っていける十分な収入がありました。また、Aさんが住んでいる家は、購入当時から、環境が大きく変わり、最寄り駅周辺は開発によって利便性が向上したことから、資産価値が大幅に上がっていたのです。
Aさんは、妻を早くに亡くしたことから、貯めた資産にはほとんど手を付けずにいました。そのため、当時の退職金等と自宅の不動産をあわせると、資産は1億円を超える額になっています。2人の子どもに遺すには十分な金額だと思いつつ、長男夫婦には同居に反対されたことから、不動産は相続時に兄弟で争いになる可能性があるかもしれないという考えもあり、売却して施設に入居するための入居費用に充てようと思っていました。
しかし、長男にこのことを伝えると、「自分たちが親父の代わりに住んで管理するから、住宅は売却しないように」とのこと。施設への入居は自宅を売却しないでも大丈夫なところを探してあげると畳みかけてきました。
数日後、長男夫婦が探してきた施設は、地方の介護を目的とした老人ホームのパンフレットばかり。「自然に囲まれていたほうが、健康にもいいと思うよ」と笑顔です。
Aさんの知り合いにそのパンフレットをみせると、「確かに自然に囲まれた施設ではあるが、Aさんが一人で住むにはあまりにも寂しいところではないか。Aさんは多少の不安があるにしても、まだ十分に1人で自立した生活が送れるレベルであるのにも関わらず、高齢者を置き去りにするような、冷たい環境に思える施設を探してくるなんて考えられない」という意見をもらいました。
よくよく考えてみれば怒りがふつふつと沸きあがってきます。長男夫婦はAさんとの同居は避けたいが、遺産はよこせといっているようなもの。Aさんには兄がおり、兄夫婦は長男の務めとして、Aさん自身の親の介護を喜んで引き受けてくれていたのを目の当たりにしていました。
「親の介護は、子どもとして当たり前ではないのか。ましてや私はもともと自分のカネで自立型の高齢者向けの住まいを自分で探していたのに。親を介護施設に預けるなんて、冷たいにもほどがある。家族で最期までみるというのが、人のあるべき姿だろう。そのくせ遺産は欲しいだなんて、強欲にもほどがある」Aさんは憤慨しました。
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