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亡き夫を想い、“1億円超”の遺産に手をつけず暮らす妻
川上久美子さん(仮名/72歳)は、2年前に夫・謙二さん(仮名/75歳)を亡くし、地方にある戸建てで一人暮らしをしています。
夫亡きあと、川上家は、謙二さんの遺言に従って遺産相続を行いました。
久美子さんが相続したのは、収益用不動産(8,000万円相当)と、上場株や預金(4,000万円相当)。久美子さんには、聡子さん(仮名/44歳)と久さん(仮名/41歳)という2人の子どもがいます。久さんは、亡くなった父(謙二さん)の後を継ぎ、社員15名ほどの中小企業で社長を務めることに。そのため、久さんは自社株(相続税評価額で8,000万円)をすべて相続。他方、姉の聡子さんは「経営のことはわからない」と、現金2,000万円のみを受け取りました。
久美子さんは、あわせて1億2,000万円もの遺産を相続したにもかかわらず、亡き夫の遺産には一切手をつけず、これまで自身の年金(月額18万円)で慎ましく暮らしてきました。その理由は、長年連れ添った愛する夫に対し、次のような思いがあったからです。
「これは夫が遺してくれた大切なお金。死ぬまで守らなきゃ……」
しかし、ある日を境に、その思いは一転することに――。
子どもたちに背中を押され、老人ホームへ入居することに
ある日のこと、72歳の久美子さんは玄関前の段差につまずき転倒。病院での診断の結果、足が骨折していることがわかりました。
幸い入院はせずに済んだものの、しばらく通院によるリハビリが必要で、以前のようには動けません。築古の自宅は2階建てで、段差も多いことから、久美子さんは子どもたちの勧めで高齢者施設への入居を検討することにしました。
いくつかあった候補のなかから久美子さんが目を留めたのは、隣町にあるまるでホテルのように豪華な高級老人ホームです。入居一時金は2,500万円、年間費用は600万円かかり、自身の年金収入だけではとうてい支払えません。「やっぱり無理ね。安いところあるかしら?」と久美子さんが尋ねると、久さんはいいました。
「母さん、父さんからもらったお金があるだろう。このお金は父さんが母さんのために遺してくれたものだ。これまでたくさん我慢してきたんだし、これからは母さんの老後を豊かにするために使ったって、誰も文句はないよ」
背中を押された久美子さんは、夫の遺産のうち、上場株を売却することで入居一時金を支払いました。月々の利用料については、相続した不動産からの家賃収入と自身の年金収入から賄うことに。こうして、久美子さんは高級老人ホームでの快適な暮らしを手に入れました。
……そんななか、息子の久さんに“まさかの知らせ”が届きます。
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