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突如判明した「隠し子」の存在
久さんが自宅のポストを開けると、見知らぬ人物から手紙が。差出人を見ると、「内田正平」と書いてあります(仮名)。不審に思いながら手紙を開封すると、なかには衝撃の事実が綴られていたのです。
川上 久 さま
突然の手紙に驚かれたかもしれません。ですが、どうか最後までお読みいただければ幸いです。
早速本題に入りますが、川上謙二さんの遺産の件です。私は、内田正平と申します。謙二さんの息子であり、久さんとは腹違いの兄弟にあたります。つまり、私にも相応の遺産をもらう権利があるということです。
ご存じかもしれませんが、謙二さんは若いころから夜な夜なスナックやバーに出かけては酔いつぶれて帰ってくるような人でした。私は、そのころ謙二さんが通い詰めていたスナックで働く女性とのあいだに生まれた子です。
母は、この事実を謙二さんに知られてはなるまいと私を妊娠してから密かに店を辞め、その後は昼夜問わず働きながら女手一つで私を育ててくれました。若いころの無理がたたったのか、10年前に亡くなってしまいましたが……。
さて、謙二さんが2年ほど前に亡くなったそうですね。ということは、自分にも相応の遺産をもらう権利があるはずです。遺産をわける手続きをしましょう。
お返事、待ってます。
内田 正平
手紙を読みながら思わず手が震えるほど、恐怖と驚きを感じた久さん。妻や信頼できる友人に相談するうち、「そもそもこの〈正平〉という人物は存在するのか」「〈正平〉の話が真実だったとして、遺産をわける必要があるのか」と疑問に思いました。
そこで、まずは謙二さんの相続の際に依頼した司法書士のもとを訪ね、手紙の主張が正しい場合、正平さんにいくら遺産をわける必要があるのか試算してもらうことに。すると、次のような結果が出ました。
「隠し子がいる場合、相続人は久美子さんと久さん、聡子さん、そしてこの正平さんの合計4名となり、謙二さんがのこした合計2億2,000万円の遺産の1/2を妻の久美子さんが、そして残りの1億1,000万円を3人で等分することになります。したがって、約3,700万円が子どもたちの法定相続分となり、遺産分割請求が行われた場合にはこの約3,700万円を正平さんに支払う必要があるでしょう」
「そんな……」
困ったことに、久さんには現在300万円程度しか預金がなく、正平さんの法定相続分を支払えるようなお金はありません。また、いきなり現れた夫の腹違いの兄弟に、自分たちの生活資金を渡さなければならないなど、納得がいくはずもありません。
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