(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進む日本では、単身で暮らす高齢者が年々増えています。内閣府『高齢社会白書(令和7年版)』によると、2025年時点で、65歳以上の男性のうち18.3%、女性のうち25.4%が一人暮らしと推計されており、将来的にはさらに増加が見込まれています。自由な生活の一方で、周囲が異変に気づきにくく、生活環境の荒廃や孤立が深刻化してから発覚するケースも少なくありません。

「玄関の前で、足が止まりました」

「これ、本当にうちなのか?と……」

 

都内で働く会社員の大島健一さん(仮名・52歳)は、3ヵ月ぶりに父の家を訪ねた日をそう振り返ります。

 

ドアを開けた瞬間、むわっとした空気が鼻を突きました。玄関からすでに荷物が積み上がり、廊下には段ボールと新聞紙。靴を置くスペースすらありません。台所には洗っていない食器が重なり、テーブルの上にはコンビニ弁当の空容器が散乱していました。

 

「父は、もともと几帳面な人でした。家にホコリがあるだけで怒るくらいで……。だから、余計に信じられなくて」

 

父・正一さん(仮名・83歳)は一人暮らし。数年前まで「俺は大丈夫だ」「迷惑はかけない」が口癖でした。健一さんが心配しても、「来なくていい」と追い返されることが増えていたといいます。

 

健一さんは、せめて通路だけでも確保しようと、玄関近くのゴミ袋をまとめ始めました。すると、奥の部屋から父が出てきて、いきなり声を荒らげたのです。

 

「入ってくるんじゃない。勝手に触るな!」

「いや、危ないよ。転んだら――」

「俺の家だ。俺の生活に口を出すな!」

 

その日は引き下がるしかありませんでした。そして夜、健一さんのスマホに父から短いメッセージが届きます。

 

「もう来るな」「勝手に家に入るな」

 

「正直、ショックでした。心配して動いたのに、“侵入者”みたいに扱われて……」

 

高齢者の生活環境が崩れる背景には、体力低下だけでなく、意欲の低下や認知機能の変化、うつ状態、孤立など複数の要因が絡むことがあります。

地域包括支援センターに相談してわかったこと

健一さんは後日、市区町村の「地域包括支援センター」に電話しました。地域包括支援センターは、介護保険法に位置づけられた機関で、地域の高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、相談対応や必要な支援につなぐ役割を担います。

 

ただ、そこで言われたのは“現実的な限界”でした。

 

「ご家族からの相談は受けられます。でも、支援を進めるにはご本人の同意が必要になる場面も多いんです。まずは関係を切らないことが大事です」

 

健一さんは「それなら自分にできることは何か」を聞きました。返ってきた提案は、“片づける”ではなく“入口を作る”ことでした。

 

●いきなり掃除や処分を始めない(主導権を奪われた感覚を強める)

 

●「片づけ」より先に、困りごとを小さく聞く(ゴミ出し、買い物、電球交換など)

 

●訪問が難しければ、電話・手紙など接点を細く長く保つ

 

●体調や転倒が気になるなら、受診や介護認定の相談につなげる

 

「“やってあげる”より、“選ばせる”。そのほうが父のプライドを傷つけない、と」

 

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