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約2年にわたる不倫。妻のストレスは限界に…
相談者は3年前に結婚し、子どもが1人います。結婚当初から夫は同じ職場のAさんと不倫をしており、妊娠・出産の期間にも関係は継続していました。Aさんも夫が既婚者であることを認識しています。
昨年Aさんが職場を退職したことで、約2年の不倫関係が終わっていたのですが、最近になり相談者がたまたまLINEの履歴を目にしたことで、再び関係があったことが発覚しました。相談者は証拠を確保するべく、LINEの履歴をスマートフォンに転送してあります。
夫は不倫を認めており、謝罪を受けたこともあり、法的措置等は考えていませんが、Aさんからは慰謝料請求したいと考えています。また、子どもがいるため、離婚は考えていません。
そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。
(1)Aさんだけから慰謝料請求することは可能なのか。
(2)相談者は不貞の慰謝料請求の合意書を作成することも考えているが、どのような項目を入れるべきか。
不貞相手だけへの慰謝料請求も可能だが…
まず(1)の、Aさんだけに対して慰謝料請求をすることは可能なのか、という点ですが、これは可能です。相談者は、立場上、夫にのみ慰謝料を請求する・Aさんにのみ慰謝料を請求する・2人に慰謝料を請求する、という3つの選択肢を自由に選ぶことができます。
これまでの経験上、不貞が発覚したけれども、子どもがまだ小さい等の理由で、どうしても配偶者と別れられないという方も数多くいらっしゃいます。そのような場合、不貞相手(今回でいえばAさん)にだけ慰謝料を請求する、というのはよくある話です。
ただし、不貞相手に請求した場合、不貞相手が相談者に支払った慰謝料の一部を夫に請求することができます。求償権という権利です。これは、請求された側からすると、2人でした行為であるにもかかわらず、1人が全額を支払い、もう1人は1円も支払わなくてよいとするのは、あまりにも不公平であることから、その調整を図る権利ということになります。
割合については、おおむね半分であるという意見や、どちらかといえば配偶者側のほうが割合が多い、という意見が多いように思います。しかし、なかなかどちらのほうが悪かったという話をしていてもまとまりませんので、半分半分で話をすることが多い印象です。
どうしても、求償権を行使されるのが嫌だという場合は、不貞相手とよく協議をする必要があります。場合によっては、不貞相手に、夫への求償権を放棄してもらったうえで合意をする、ということも考えられます。ただしこの場合は、不貞相手側からすると、本来請求できる権利が請求できなくなるわけですから、その分、慰謝料額が減額されなければ割にあいません。そのため、不貞相手から支払ってもらえる金額がおおむね半分程度になることは覚悟する必要があるでしょう。

