エグゼクティブが転職先で活躍するためには、「職務に対するやりがい」が欠かせません。責任が重くなるほど困難も増す中で、やりがいがあるかどうかが、困難に直面したときに踏ん張れるかを左右します。今回は、エグゼクティブ転職の専門家・井上和幸氏が、転職先選びで重視すべき「2つの喜び」について解説します。
エグゼクティブの転職で重要なのは「やりがい」の有無
事業や組織のリーダーであるエグゼクティブの皆さんが転職先で活躍される基盤となるのは、職務におけるやりがいの有無です。
何を青臭いことを…、そんな風に思われるでしょうか? しかし、私はマネジメントの皆さんのキャリアとご活躍を数多く見てきて、社会人経験を積めば積むほど、職責が重くなればなるほど、職務に対する本質的なやりがいをお持ちか否かでパフォーマンスが大きく異なることを目の当たりにしてきました。
実際に、幾つかの調査でもやりがい(ワーク・エンゲージメント)とパフォーマンス、生産性との相関は報告されています。
たとえば、厚生労働省「ワーク・エンゲイジメントと企業の労働生産性について」では、図表1のように、ワーク・エンゲイジメント・スコアと労働生産性の水準において、正の相関関係が示唆されています。
同様に、米国・Gallup社による調査(※)では、エンゲージメントの高い企業は利益率が23%向上、生産性が18%向上、顧客評価が10%改善、品質(不良品発生率)が40%低減されると報告されています。
※ Gallup「What Is Employee Engagement and How Do You Improve It?」(https://www.gallup.com/workplace/285674/improve-employee-engagement-workplace.aspx)
皆さんご承知の通り、責任が重くなればなるほど、タフな局面、対外的なことでも内部的な問題でも色々としんどいことに直面するものです。その際に踏ん張れる人と、折れてしまったり逃げ出してしまったりする人との差は何かといえば、職務に対してのやりがいを持てているかどうかなのです。
「これをやり遂げたいから」
「この事業を成功させたいから」
「このお客様をハッピーにしたいから」
ここで逃げ出すわけにはいかないと踏ん張れたから、辛い時期や難局を乗り越え成長できるのですよね。
そういう意味では、エグゼクティブの皆さんが転職先を選ぶ際にも、この職務におけるやりがいがしっかりと中核に存在しているかを確認することは、転職後の活躍のためにも欠かせません。
では、長らくの社会人経験を経てこられた皆さんの<オトナのやりがい>は、どう確認すればよいのでしょう?
ミドル・シニア世代で事業・組織のリーダーとして活躍されるエグゼクティブの皆さんが、タフな状況に立ち向かい続けるためには、<オトナのやりがい>がエネルギーの源泉として欠かせません。
この<オトナのやりがい>は、「マクロの喜び」と「ミクロの喜び」から成り立っています。「マクロの喜び」と「ミクロの喜び」の両面を満たすことが必須なのです。
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株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス(2006年に社名変更、現・リクルートエグゼクティブエージェント)。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。
2010年2月に株式会社 経営者JPを設立(2010年4月創業)、代表取締役社長・CEOに就任。経営者の人材・組織戦略顧問を務める。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供している。人材コンサルタントとして「経営者力」「リーダーシップ力」「キャリア力」「転職力」を劇的に高める【成功方程式】の追究と伝道をライフワークとする。 実例・実践例から導き出された公式を、論理的に分かりやすく伝えながら、クライアントである企業・個人の個々の状況を的確に捉えた、スピーディなコンサルティング提供力に定評がある。自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を持つ。
著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48』(共著、東洋経済新報社)、『あたりまえだけどなかなかできない 係長・主任のルール』(明日香出版社)、『プロフェッショナルリーダーの教科書』(共著、東洋経済新報社)、『人物鑑定法 あの人も、丸見えになる』(経済界)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。取材・コメント・出演実績として、「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日刊工業新聞」「週刊東洋経済」「日経ビジネス」「GQ JAPAN」「週刊現代」「プレジデント」「AERA」「月刊BOSS」「CIRCUS」「日経ビジネスオンライン」「ITmediaエグゼクティブ」「BOSS online」、フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「キカナイトF」、その他業界誌等多数。
株式会社 経営者JP
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連載相談実績2万名超の経営人材コンサルタント直伝!“エグゼクティブ転職”成功マニュアル