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親離れしない兄と子離れしない母。父の死後、関係性はこじれ…
Aさんは、大学卒業後に就職し、就職を機に社員寮に移り住み独立しました。その後28歳で同僚の夫と結婚し、都内近郊にマンションを購入。入社以降、同じ会社で働き続け、夫と力を合わせながら住宅ローンを返済しています。
Aさんには50代の兄がいます。Aさんとは対照的に兄は大学卒業後、転職を繰り返し、父が亡くなったのを機に母の介護をする名目で無職となりました。以後、母の年金をあてにしながら実家で母と二人暮らしです。
父が健在だったころは、無駄な転職について厳しく叱られていたこともあり、兄も渋々働いてきました。しかし、父が亡くなってからは母がなにもいわないのをいいことに、自宅に引きこもり、ゲーム三昧の好き勝手な生活を送ってきたのです。
母の年金は、母自身の老齢年金と、父が亡くなった分の遺族年金の合計で約170万円(月額14万円)。母一人なら年金だけでなんとか暮らしていけそうですが、兄がいるため貯蓄を崩しながら生活しなければなりません。母は心配しつつも兄を甘やかして育て、必要だといわれれば大人になってもお小遣いを渡していました。
親離れしない兄と子離れしない母。そんな生活も突然、終わりを告げます。
85歳になった母はある日、散歩途中に脳梗塞で倒れてしまいました。残念ながら発見が遅れ、そのまま亡くなったのです。Aさんは突然の別れに悲しみが拭えませんが、実家で暮らしていた兄はもっと悲しいだろうと思っていました。
ところが、経済的に自立できていなかった兄は、悲しみもさることながらこれからの生活をどうすべきかが一番の心配事だったようです。
葬儀が終わると、兄はAさんに母の相続について、「母の介護をしてきたのは自分(兄)だから母の財産はすべて自分が受け取るべきだ」と主張しました。Aさんはビックリするとともに唖然とします。このままでは兄は経済的に自立できないどころか人間性も欠いてしまう……そう思ったAさんは、母の四十九日後にある提案をします。

