マリーナがもつ「資産」としての優位性
マリーナ投資の機運の高まりは米国だけにとどまりません。南半球・オーストラリアのマリーナにも世界中の資金が流入しています。
オーストラリアは、10人に1人がボート免許を持つ「ボート大国」です。登録船舶数は約90万隻にのぼります。国民の約85%が海岸線から50km以内に住んでいるため、生活の一部として根づいているのです。こうした特徴は米国では見られず、オーストラリア特有のものといえるでしょう。
米国と同様、オーストラリアでもシドニー東部のローズベイやダブルベイなどでは、桟橋に並ぶ数億円級のクルーザーを背景に、マリーナ併設のカフェで談笑する姿が日常的に見られます。
一方、オーストラリアでは環境保護を重視した厳しい沿岸開発規制により、新規のマリーナ建設が極めて困難で、施設数が需要に対して決定的に不足しているという現状があります。この「供給制約」が、既存マリーナの希少価値と収益性をいっそう高める要因となっているというわけです。
実際、こうした構造的な供給不足により、現存するマリーナはいずれも非常に高い稼働率を維持し、需要超過の恩恵を享受しています。
このような背景から、マリーナは投資資産としての優位性を有しているといえるでしょう。
マリーナの収益源は、水上および陸上でのボート停泊料・メンテナンスや燃料販売、小売店の賃貸などの多様なサービスで構成されています。そのため、キャッシュフローが安定しやすいのが強みです。さらに、他の一般的な不動産に比べて利回りが高く、長期的な安定収益が期待できます。
また、環境規制などにより新規マリーナの建設が著しく制限されているため、多くの場合、既存施設の拡張が唯一の成長手段となります。
裏を返せば、こうした供給制約のもとでマリーナを保有し、施設を拡張・高度化することで、旺盛な需要を取り込みながら資産価値の一層の向上を実現できるポテンシャルを秘めているのです。
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