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ともに人生を歩んだパートナーへの最後の責任
遺される妻が経済的に困窮しないためには、夫は生前にどのような準備をしておくべきなのだろうか。鍵となるのは、起こりうる支出を具体的に想定し、それに合わせて「保険」と「貯蓄」を戦略的に準備することである。
まず考えるべきは、日々の暮らしの基盤となる「住まい」と「生活費」だ。持ち家であれば、将来発生し得る屋根や外壁、給湯器といった設備のメンテナンス費用をリストアップし、必要な金額を試算しておくべきである。その費用を退職金などで一括確保しておけば、後の生活を圧迫しない。同時に、妻自身の年金収入だけでは生活費が不足すると見込まれるなら、その不足月額に平均余命年数を乗じて必要な総額を計算し、現金で遺す準備が重要となる。
次に、夫自身の「最期」に関して、希望する葬儀の形式や内容をエンディングノートなどに記し、費用も明確に遺しておけば、家族は安心して故人を偲ぶことができるだろう。墓の準備も同様に、早めに行っておくべきだ。
こうした現金の準備と並行して、不測の事態に備える「保険」の活用が極めて重要になる。たとえば、夫自身が大病を患う可能性だ。高額療養費制度は自己負担額に上限を設けるものだが、治療が長引けば家計への影響は甚大になる。「貯蓄で払えばいい」という考えは、結果として妻に残すべき資産を減らすことに繋がりかねない。医療保険やがん保険などで備えることで、貯蓄を守ることが可能だ。保険料が安く、保障内容が充実している若いうちの加入が賢明だろう。
さらに、亡くなったあとに即座にまとまった現金を遺す手段として、死亡保険は大きな力を発揮する。貯蓄は予期せぬ出来事で目減りするリスクが常に存在するが、死亡保険金は受取人が請求すれば数日で振り込まれるため、葬儀費用や妻の当面の生活費として非常に役立つ。貯蓄と死亡保険を組み合わせることで、より盤石な備えとなる。
そしてなにより忘れてはならないのが、遺される妻自身の人生を守るためのお金である。妻自身もまた、大病を患ったり介護が必要になったりする可能性がある。一人での闘病は精神的にも経済的にも大きな負担となるため、妻名義の医療保険や民間の介護保険、そして十分な貯蓄を用意しておくことが、未来の安心に繋がるだろう。
このように、NISAなどを活用した長期的な資産形成による「貯蓄」と、目的に応じた「保険」を組み合わせ、リスクを管理すること。この両輪で備えることが、現実的かつ賢明な対策となる。夫にとって、自分がいない未来を想像するのは辛いことかもしれない。しかしそれもまた、ともに人生を歩んだパートナーへの最後の責任であり、愛情の形といえるだろう。
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