財政の健全化は可能なのか
佐藤:財政を健全化するにはどうすればいいんですか?
井堀:政府の戦略としては、まず基礎的財政収支(プライマリーバランス)の均衡化=黒字化を目指すことなんだ。でも、日本は1990年代以降ずっと赤字が続いている。
佐藤:その目標っていつまでに達成するとか決まっているんですか?
井堀:最初は2000年までに達成と掲げていたけど、景気対策や補正予算などで先送りが繰り返されて、今では2025年度までに均衡化が目標になっている。だけど最近は補正予算を組んで大きな支出をしているから、2025年度も無理そうだね。
佐藤:財政を健全化するには、具体的にどうやって進めるんですか? ずっと赤字が続いているって聞くと、どこから手をつければいいのか……。
井堀:歳出を削るか、増税するかの2つの選択肢がある。ケインズ的な積極財政とは逆方向だから、不況期には特にやりづらい。でも景気が回復したとしても、自然増収だけじゃ基礎的財政収支の黒字化は不十分。いずれは思い切った歳出削減か増税が必要になるよ。
佐藤:でも、消費税率はもう10%に上がったし、さらに上げるのは大変そうです。
井堀:国際的に見ると10%はまだ低いほうだよ。もし15%まで引き上げたら、かなり大きな増収になる。それだけ財政再建にも寄与する。あとは無駄な歳出削減を徹底することだね。たとえば社会保障費が巨額だから、うまく効率化すれば、歳出削減の効果は大きい。
井堀利宏
東京大学名誉教授
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