(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもが高額な商品が欲しいと言ったとき「買ってあげる」もしくは「諦めさせる」の2択から選ぶのではなく、欲しいものを手に入れるという目標に親子で取り組むことで、子どものデジタル×マネーリテラシーを育てることができます。そこで本稿では、見原思郎氏による著書『親子で学ぶデジタル×マネー教育 ネコマルのデジタルおこづかいレッスン』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋・再編集し、デジタル決済時代の金融教育法について詳しく解説します。

子ども自身が属するコミュニティへの寄付は実感を得やすく、自信にも繋がる

子どもたちはおこづかいアプリの活用法や、振り返りを実践していくことで、自分の内面と深く向き合うことになります。親や他者から見て良い使い方ができているか、ムダ使いと思われないか、といった他者主体のものの見方ではなく、どんなお金の使い方が自分の満足や幸福につながるかを自分で考え、自分自身でより良い使い方やふやし方、お金を投じる先について判断していく。自分で判断するからこそ、失敗や、思いどおりにならず歯がゆい思いを味わうこともあります。

 

こうしたおこづかいの試行錯誤を通じて、自分を知り、自分が没頭できることに気づいた子もいるかもしれません。自分の興味に没頭し、自分の心がどうすれば満足するかを考え、優先できるようになっていく。それを積み重ねていくと、自分を満足させるだけでは飽き足らず、家族や友達、興味のある分野やそれに関わる人たち、それを育む地域、取り巻く社会へと、自分が貢献したい範囲が広がっていくことがあります。

 

「どこに寄付をしよう」と考えることは、自分の内的な思いと向き合い「自分はどんな社会問題に関心を持っているか?」「どんな問題に貢献したいと思っているか」と自分の気持ちの解像度を上げることにつながります。

 

とはいえ、必ずしも大きな社会問題に自分のおこづかいを寄付しなければいけない、というわけではありません。それよりもっと身近で、自分に関係があると思うテーマや、興味のあるテーマから寄付を始めてみるのがおすすめです。自分の好きな分野にお金を投じることによって、ダイレクトに自分の満足度を高めることができます。

 

例えば自分も利用する公共施設に寄付をすれば、その恩恵を利用者である自分も受けることになります。地域のスポーツチームに寄付すれば、自分の街のチームが盛り上がり、もっと広いエリアに自分の街の魅力をアピールするきっかけになるかもしれません。

 

このように自分が所属している集団や地域、社会のために寄付をすると、「自分の投じたお金で、自分を含めた集団や地域、社会が良くなっていく」実感を得やすいです。

 

また、寄付を通じて、自分が共感する課題に取り組む人たちや、志を同じくする人たちとのつながりを感じられたり、自分の行動で社会を少しでも変えられると自信を得られたりするのも、寄付のメリットといえます。

 

さまざまな社会課題意識や興味分野から、それにつながる寄付先はいろいろあります。

 

「私はこれに関心がある。もっと知りたい」「このテーマに憤りを感じる/心が動く」といった自分ごとに思えるジャンルはないか、親子で一緒に考えて、具体的な団体について調べてみるのもよいと思います。

 

ただし寄付先を選ぶときには注意点があります。団体のなかには、寄付金を不適切に利用する団体もあるのが現状です。子ども自身のおこづかいを適切に支援に活用してもらうために、寄付先を調べたり選んだりするときには「寄付の明確な使い道や、これまでの実績が公表されているか」「自治体や国の認可を得ているか」「活動期間が長いか」といったポイントに注意しながら、確認していく必要があります。

 

また未成年から寄付をできる団体の多くが、保護者の同意を必要としています。子どもが寄付をする前に、親に相談することをルールにしましょう。寄付先に怪しいところがないか、親の目からもしっかり確認してください。

 

 

見原 思郎
シャトル株式会社 代表取締役

 

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※本連載は見原思郎氏による著書『親子で学ぶデジタル×マネー教育 ネコマルのデジタルおこづかいレッスン』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋・再編集したものです。

親子で学ぶデジタル×マネー教育 ネコマルのデジタルおこづかいレッスン

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見原 思郎

幻冬舎メディアコンサルティング

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