「お金が足りない…」子どもがお小遣いの使い方に後悔しているときがチャンス
子どものムダ使いについて、気になってしまう親は多いと思います。しかし、お金をどのように使ったら「ムダ」なのか、子どもに説明できるか考えてみると、かなり難しいようにも思います。
そこで振り返りに大事なのが、「満足度」の指標です。
例えば「子どもが毎月のおこづかいを、マンガばかりに使っている。もっといいお金の使い方をしてほしい」と考える親がいるかもしれません。しかし、その子にとってはマンガを買うことが、勉強や家のお手伝いをする原動力になっているかもしれないのです。マンガを読むことが日々の充実感ややる気につながっているのであれば、その子にとってマンガにお金を使うことは「満足度が高い」と判断できます。
このことを考えずに、親が一方的に「マンガにお金を使いすぎじゃない? そんなムダ使いばかりしてはダメよ」と声をかけてしまうと、子どもの意欲を削いでしまうことにもつながります。
取り返しのつかないレベルの失敗でなければ、どんどん失敗して学んでもらうほうが、お金の使い方について考えるきっかけになります。毎月の振り返りで「今月は使いすぎてしまった」「このお菓子は要らなかったな」と自分で振り返ることによって、子どもが「自分の満足度を高めるためには、どのようにお金を使えばいいだろう?」と考え始めます。
子どもが後悔していたり「お金が足りなくなってしまった」と親に打ち明けてきたりするタイミングは、むしろ学びのチャンスです。頭ごなしに叱るのではなく「何に使ったの?」と一緒におこづかいアプリを見ながら、これは本当に欲しくて買ったのか、買ったあとも自分の心を満足させることにつながったのか、一つひとつ聞くのもよいと思います。そして「来月は、どうやったらもっとうまくお金が使えるだろう?」と一緒に考えてみるのです。
マンガを買うことが自分の心の充足につながっている子は「もっとマンガを買いたい」と言うかもしれません。一方「マンガよりも、もっとこういうことにお金を使いたい」と、本当に興味があることは何か、考え始めたり、気づいたりする子もいるはずです。
衝動買いが止まらない、と困っている子どもに対しては、欲しいと思った瞬間に買うのではなく、欲しいと思ったものをメモしておいて、少し時間をあけてから買うことをすすめるのも良い方法だと思います。例えば購入前に24時間待つ、というルールをつくっておくと、その間に欲求が落ち着くことがあります。
また、「友達についおごってしまう」また「親の知らないところで友達におごらせていた」といったことは、小学生の間でよく起こる話です。
特にデジタルマネーが普及したことで、支払っている自覚が薄くなり「カードやスマホでピッとしたら、友達が喜んでくれたので」とついおごってしまう子どももいるといいます。食べ物のおごり合いだけでなく、最近ではゲームでの課金アイテムのやりとりがトラブルの原因となることもあります。
トラブル防止のためには、誰かにせびられたり、「お金を出して」と言われたりした場合は、親に相談するようにと伝えておくことが大事です。また、子どもが小さいうちは、気づかずに友達におごらせている場合もあるので「友達に買ってもらったら、必ず親に報告すること」とルール化しておくのもよいかもしれません。
