中高生にも普及しつつあるポイ活やフリマアプリへの出品。注意点は?
おこづかいやアルバイト以外でも、子どもがお金を得る手段はあります。近年、中高生がよく行っているのは、ポイ活やフリマアプリのようです。
Studyplusトレンド研究所が2023年に中高生約3000人を対象に調査したところ、おこづかいやアルバイト以外で「自分の自由に使えるお金を得る」ための活動として、最も多かったのが「ポイ活」で40.7%、続いて「ネットフリマ・オークションサービスへの出品」が34.5%という結果になりました。
ポイ活とは、ネットショッピングや、ポイントサイトでのさまざまなタスクをこなすことでポイントを貯める活動のことです。貯めたポイントをデジタルマネーに換金することができます。
フリマアプリやネットオークションサービスは、スマホを介して簡単に売りたい人と買いたい人がつながれる便利なサービスです。ほとんどのサービスが、支払いにデジタルマネーを使うことができ、現金や口座の送金を使用しなくても気軽に個人間での売買が可能になっています。
デジタルマネーが普及したことによって、現在、個人間取引の市場が急拡大しています。
「自分にとって不要なものでも、誰かにとっては必要なものになることがある」と気づいたり、限られた資源を大切に使う、循環型社会について学んだりすることにもつながるかもしれません。そう考えると、フリマアプリは、ものとお金の大切さを学ぶことのできる機会にもなります。
ただし、使い方次第ではトラブルに巻き込まれる可能性もあるのが、個人間取引の難しさです。
例えばフリマアプリを使った場合、アプリのメッセージ機能などを通じて、直接「売りたい人」と「買いたい人」が連絡を取り合うことになります。また出品した商品が売れたら、自分で梱包して発送する必要があります。このやりとりでトラブルになった例も多数報告されています。
売り手の側としては、梱包の仕方が雑だったり、商品の汚れているところを載せなかったり、丁寧なコミュニケーションがとれていなかったりすると、買い手からのクレームや返品につながります。また支払いがスムーズにされない、商品を発送したのに受け取ってもらえない、といったトラブルが起きることもあります。
買い手の側としては、お金を払ったのに商品が届かない、写真と実際に届いた商品があまりにも違う、といったリスクもあります。
未成年でも、保護者の同意があればサービスを利用できるフリマアプリやネットオークションのサービスは多いです。なかには親に確認をせずに、子どもが家のものを勝手にオークションに出してしまった、個人情報が含まれているものを出品してしまった、というようなトラブルもあります。
ですから子どもが自分でフリマアプリを使い、取引を始める前に、親に出品してよいかどうかを確認することを家庭内でルール化しておく必要があります。また親子で一緒に、出品禁止物ではないかなど、事前に使い方ガイドを確認しておくことも大事です。
売り手も買い手も、やりとりで不明なことがあれば相手にちゃんと確認するなど、個人間でのやりとりの注意点を親子で話し合ってみてください。
フリマアプリやネットオークションサービスは決して悪いものではなく、注意して利用すれば、ものの価値や大切さ、マネーリテラシー、資源の循環などを子どもが学ぶ良い機会にもなります。頭ごなしに「危なそうだから、使っちゃダメ」と言うのは、子どもが中高生にもなると現実的ではなくなってきます。親としては、個人間で直接やりとりすることで、トラブルが起きることもある、という話を事前にしておくのも必要だと思います。
